アルミを知る どんな素材?

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発見からわずか200年。
多彩な機能を
持つ有望素材

アルミニウムは鉄や銅と並んで、社会や産業の幅広い分野で利用されている金属です。しかし、その歴史は意外と浅く、発見されてからまだ200年、工業的な生産が始まって120年あまりという若い素材です。それだけに、まだまだ知られていない特性や秘められている可能性が高く、現在でも世界中で活発な研究が行われています。

アルミニウムの多彩な特徴

特徴1軽い

アルミニウムの比重は2.71。鉄(7.87)や銅(8.93)と比べて約3分の1です。自動車、鉄道車両、航空機、船舶などの輸送分野をはじめ、土木・建築、モバイル家電など、多様な分野で軽量化に役立っています。

新幹線の写真
新幹線
飛行機の写真
飛行機

特徴2再生しやすい

アルミニウムは他の金属と比べて酸化しにくく、融点が低いため、使用後のアルミニウム製品を溶かして簡単に再生することができます。しかも再生地金を作るために必要なエネルギーは、新地金を作る場合のわずか3%で済みます。また、品質的にも新地金とほとんど変わらないものが製造でき、大変経済的な素材だと言えます。特に飲料缶では「空き缶を回収して再資源化しよう」というリサイクル運動が全国各地で行われており、省資源・省エネルギーに貢献するとともに、地球環境保護の推進にも大きな役割を担っています。この特長は、今後ますます増加するアルミニウム需要に対して安定供給を続ける上で、大きな助けとなります。

使用済みアルミニウム缶の写真
使用済みアルミニウム缶

特徴3強い

アルミニウムは比強度(単位重量あたりの強度)が大きいため、輸送機器や建築物などの構造材料として多く使用されています。また、純アルミニウムにマグネシウム、マンガン、銅、珪素、亜鉛などを添加して合金にしたり、圧延などの加工や熱処理を施したり、用途に応じてより適切な強度を選択できます。

東京スカイツリー®の写真
東京スカイツリー®

特徴4鋳造しやすい

アルミニウムは融点が低い、ガスを吸収しにくい、湯流れがよいといった性質を持っています。このため、薄肉の鋳物や複雑な形状の鋳物などを、容易に生産できます。鋳造品はピストン、シリンダーブロック、ホイールなどの自動車部品、また各種産業機械部品など幅広い分野で使用されています。

ターボチャージャ用コンプレッサホイールの写真
ターボチャージャ用コンプレッサホイール

特徴5耐食性がよい

アルミニウムは、大気中で耐食性の良い酸化皮膜を自然形成するため、優れた耐食性を有しており、鉄鋼のように赤錆を生じることがありません。耐食性と強度も兼ね備えたアルミニウム合金は、各種の用途に採用され、特に建築、自動車、船舶、海洋開発などの分野では、この特性が大いに生かされています。

アルミニウム船の写真
アルミニウム船
自動車用ボディーシート材の写真
自動車用ボディーシート材

特徴6美しい

アルミニウムは、素地のままでも美しい金属ですが、アルマイト処理などさまざまな表面処理を施すことによって、より美観を高めるとともに、表面を硬くしたり、防食効果を高めたりすることができます。さらに、アルマイト処理の際には、多彩な色をつけることもでき、建築外装や包装材などデザイン性が求められる分野に最適の素材です。

※陽極酸化法とも言われ、アルミニウムの表面処理方法の1つ

食品用箔の写真
食品用箔

特徴7加工性に優れる

アルミニウムは塑性加工がしやすく、さまざまな形状に成形できます。紙のように薄い箔や複雑な形状の押出形材を容易に製造できることから、非常に幅広い用途で使用されています。また、できあがった製品素材をさらに成形加工したり、表面に精密加工を施したりすることも比較的容易です。さらには切削加工性にも優れており、金型などの工具類や機械部品に使用されています。

押出形材の写真
押出形材

特徴8毒性がない

アルミニウムは、無害・無臭で衛生的です。万一、何らかの化学作用で金属が溶出したり、化合物を作ったとしても、重金属のように人体を害したり、土壌を汚染したりしません。この特性を生かして、食品や医薬品の包装、飲料缶、医療機器、家庭用器物などに広く使用されています。

医薬用箔の写真
医薬用箔

特徴9電気をよく通す

アルミニウムは、導電体としてきわめて経済的な金属です。電気伝導率は銅の60%ですが比重が約3分の1なので、同じ重さの銅に比べて2倍の電流を通すことができます。このため、高電圧の送電線をはじめ、導体(板・管)などに広く使われており、エネルギー利用、エレクトロニクス分野での需要が大きく伸びています。

コンデンサ箔の写真
コンデンサ箔

特徴10光や熱を反射する

よく磨いたアルミニウムは、赤外線や紫外線などの光線、ラジオやレーダーから発する電磁波、さらに各種熱線をよく反射する性質を持っています。この特性を生かして暖房器の反射板、照明器具、および宇宙服などに利用されています。最近では、アルミニウムに鏡面加工を施すことで、この特性をさらに高め、ポリゴンミラーをはじめとした光エレクトロニクス製品にも利用されています。

ポリゴンミラーの写真
ポリゴンミラー

特徴11磁気を帯びない

アルミニウムは非磁性体で、磁場に影響されません。この特長は、軽さや耐食性など他の特長と組み合わせることで、さまざまな製品に活用されています。主な用途としては、パラボラアンテナ、船の磁気コンパスなどの計測機器、電子医療機器、メカトロニクス機器などが挙げられますが、近年では超伝導関連機器などにも用途が広がっています。

メモリーディスク材の写真
メモリーディスク材

特徴12低温に強い

アルミニウムの強度は、温度が低下するにつれて上昇するため、鉄鋼などと違って極低温下でも破壊されません。このため、低温プラントやLNGのタンク材として使用されるほか、最近では宇宙開発やバイオテクノロジー、極低温の超電導関連といった最先端分野でも、この特性が脚光を浴びています。

航空・宇宙機材の写真
航空・宇宙機材 ©JAXA
LNG船の写真
LNG船

特徴13熱をよく伝える

アルミニウムの熱伝導率は鉄の約3倍です。熱をよく伝えるということは、急速に冷えるということでもあります。そのため、鍋や湯沸しなどの日用品、冷暖房装置、エンジン部品、各種の熱交換器、ソーラーコレクター、ビールやジュースなどの飲料缶など、幅広い用途でこの特性が活かされています。

自動車熱交換器材・配管材の写真
自動車熱交換器材・配管材