1807年、イギリスの電気化学者ハンフリー・デービーが未知の元素を発見。アルミニウムの語源となるアルミアム(Alumium)と命名しました。
1825年、デンマークの物理学者エルステッドが世界で初めて塩化アルミニウムから金属アルミニウムを取り出すことに成功。アルミニウム工業化への道を開きました。
アルミニウムの歴史は浅く、発見されたのはわずか200年前のこと。発見が遅れた理由は、「単体になりにくい」というその性質。アルミニウムはさまざまな化合物として鉱物や土壌などに隠れており、天然の金属としては産出されないため、なかなか発見できなかったというわけです。
-200℃にも耐えられる。低温に強い素材です。
温度が下がると脆くなる鉄鋼とは逆に、アルミニウムは低温になるほど強度がアップ。LNG(-162℃)のタンク材として使われているほか、宇宙開発やバイオテクノロジーなどの最先端分野でも活躍しています。
電気を通すアルミニウム。導電体として経済的に優れた金属です。
電気伝導率は銅より劣るものの、比重が軽いため同じ重さの銅に比べて2倍の電流を通すことができます。高電圧送電線の約99%に採用されているほか、エネルギー利用、エレクトロニクス分野での需要が大きく伸びています。
光や熱を反射するアルミニウム。宇宙服にも使われています。
純度の高いアルミニウムは赤外線や紫外線、ラジオやレーダーからの電磁波をよく反射します。この特性を活用して、暖房器の反射板、照明器具、宇宙服などに使用されています。
サビや腐食を自然に防止。耐食性に優れています。
アルミニウムは空気中で自然に酸化皮膜を生成し、この皮膜が腐食を防ぐため鉄のようにサビを生じることがありません。優れた耐食性を活かし、建築・自動車・船舶・海洋開発などの分野で活躍しています。
アルミニウムの比重は2.71。鉄(7.87)や銅(8.93)と比べて約3分の1です。
その軽さを活かして、自動車、鉄道車両、航空機、船舶など輸送分野での燃費・性能向上に貢献しているほか、土木・建築、モバイル家電など、多様な分野で高機能化を実現しています。
毒性がないアルミニウム。無害・無臭で衛生的です。
アルミニウムは重金属のように人体を害したり土壌をいためたりすることがないため、食品や医薬品の包装、飲料缶、医療機器および家庭用器物などに広く使用されています。
低い温度で溶けるアルミニウムなら複雑な形状の鋳物がつくれます。
鉄や銅に比べて融点が低く鋳造しやすいため、薄肉や複雑な形状の鋳物を容易に生産することができます。ピストン、ホイールなどの自動車部品、産業機械部品やカメラボディなど、幅広い分野で使用されています。
軽くて強いアルミニウム。加工すれば強さはさらにアップします。
純アルミニウムに他の金属を添加して合金にしたり、圧延や熱処理などの加工をすることで、強度を高めることが可能。航空機や大型構造物用の材料として注目されています。
リサイクルが容易。地球環境を守るために活躍しています。
アルミニウムは他の金属に比べて簡単に再生できるうえ、再生品の品質も新品とほとんど変わりません。省エネや省資源に貢献し、環境保全に役立つ金属素材です。
そのままでもきれい。加工すれば、もっと美しく。
素地のままでも美しい金属ですが、表面処理を施すことでより美しくなります。多彩な色をつけることもできるので、建築外装や包装材などデザイン性が求められる分野に最適です。
アルミニウムは非磁性体。磁気を帯びません。
磁場に影響されないという特性から、パラボラアンテナや船の計測機器、電子医療機器、メカトロニクス機器製品など、その用途は広がり続けています。
加工性に優れたアルミニウム。多彩な形状を生み出すことができます。
加工しやすいという点も大きな特長。アルミホイルのような薄い箔から複雑な形状の押出形材までさまざまな成形が可能であり、それらの精密加工も容易なことから、活躍する産業分野は多岐にわたっています。
熱しやすく冷めやすい。熱伝導率は鉄の約3倍です。
熱を伝えるだけでなく急速に冷えるという性質を持つアルミニウム。鍋などの日用品や飲料缶、冷暖房装置、各種の熱交換器、また、電子機器などの放熱を目的としたフィンやヒートシンクにも採用されています。
軽くて強く、リサイクル性にも優れた金属「アルミニウム」。これらの特性を活かし、幅広い分野にわたって活躍しています。消費量は全世界で飛躍的に伸びており、他の非鉄金属と比べてもその伸びは顕著。私達の生活やビジネスなど、あらゆるシーンをアルミニウムが支えているのです。
自動車のの大部分は鉄でできていますが、鉄の代わりにアルミニウムを使うことで、排出するCO2を減らすことができます。製造段階では、素材に再生アルミニウムを使うほどCO2が低減。また、使用(走行)段階では、自動車の軽量化にともなって燃費が向上するため、CO2排出量の削減につながります。
アルミニウムの大きな特長の1つが「リサイクルのしやすさ」。したがって、リサイクルに係るコストも、ほかの飲料容器に比べてアルミニウム缶が圧倒的に安価です。省資源に貢献するだけでなく、アルミニウム缶は経済性にも優れているのです。
飲料容器が作られてから、使用後に回収・廃棄されるまでにかかるエネルギー量を飲料容器ごとに比べてみました。アルミニウム缶は、リサイクルすればするほどエネルギー量が低減、省エネに貢献します。
半導体を作るための装置にもアルミニウムが使われています。なかでもUACJが供給する「基板ホルダー」は、半導体製造装置の重要部品として世界で90%という圧倒的なシェアを有し、最先端のモノづくりに貢献しています。
「急速に冷える」「リサイクルしやすい」という特性から、飲料缶として広く用いられているアルミニウム。ラミネート缶やボトル缶など機能や意匠面での差別化が進むなか、UACJはこうした進化に対応するアルミニウム素材の開発に取り組んでいます。
軽量で耐久性に優れることから、船舶に適しているアルミニウム。高速化ニーズが高い旅客船やフェリーにも採用が進んでいます。特に極低温に強いため、LNG(-162℃)輸送船に適しており、UACJのLNG船タンカー用板材は国内トップクラスのシェアを獲得しています。
高層ビルに欠かせないカーテンウォールやアルミニウムサッシなどの建築資材として、アルミニウムが活躍しています。UACJのアルミニウム建材板は国内No.1シェアを誇り、大型物件を中心に多く用いられています。
エンジンやホイール、ボンネット、サスペンションなど、数多くの部品にアルミニウムが使われており、近年では自動車ボディにも採用されています。なかでもUACJが開発した「高温成形用アルミニウム合金」は、自動車ボディに最適な新合金として自動車メーカーの軽量化ニーズに貢献しています。
宇宙ロケットの機体に使用され、宇宙空間という過酷な環境に耐え得る高品質で信頼性の高い材料として活躍しています。
航空機の機体には高力アルミニウム合金が早くから採用され、軽量で強度・剛性に優れた機体を実現しています。
アルミニウム合金が鉄道の内装材や窓枠に初めて採用されたのは1962年のこと。その後、用途は車両そのものへと広がり、高速車両に欠かせない存在として新幹線をはじめ多くのアルミニウム車両が生産されました。地下鉄を中心とした一般車両にも用いられています。
薄型テレビのディスプレイパネルを取り付けるシャーシに用いられ、テレビの大画面化・軽量化に貢献しているアルミニウム。ほかにも、DVDレコーダーやカーナビなどに搭載されているHDDの心臓部「メモリーディスク」に採用されています。
アルミニウムは現代のエレクトロニクス製品にとって不可欠な存在です。パソコンの内部で重要な役割を果たす電子部品「アルミニウム電解コンデンサ」のほか、パソコンやデジタルカメラ、モバイル端末のボディにもアルミニウムが用いられています。
印刷業界でも重要な役割を果たしているアルミニウム。書籍やカタログなどを印刷するためのPS版や、環境負荷低減に貢献する「水なし印刷」用の板の材料として使われているほか、オフィスや家庭用の複写機やプリンタでも多様なアルミニウム製品が活躍しています。
アルミニウムは、無害・無臭で衛生的。万一なんらかの化学作用で金属が溶出したり化合物を作ったとしても、重金属のように人体を害したり土壌をいためたりしません。この特性を活かして、食品や医薬品の包装、医療機器および家庭用器物などで広く使用されています。