熱伝導
アルミニウムは接しているものの熱を良く伝える性質があり、それを「熱伝導」といいます。熱が伝わるスピードが速いので、温まるのも冷えるのも早いです。そのため、調理などで使う他に、ビールやジュースなど飲料缶にも使われています。

豆知識コラム:遮熱と熱伝導の違い
「アルミホイルはピカピカの面とマットな面、どっちが表なんだろう」と考えたことはありませんか?実は、表裏という概念はありません。光沢のある面とない面ができるのは、製法に理由があります。アルミホイルは、アルミニウムを2枚重ねてローラーで薄く伸ばすことによって作られています。その際、ローラーに当たる面は光沢のある面に、ローラーに当たらない面は光沢のない面になるのです。フライパンに敷いて調理する際、どちらの面を下にしても熱の伝わり方は変わりません。

気体・水分の遮断
アルミホイルは気体・水分の遮断性が高く、臭いを通しません。この特性を生かして、臭いのあるものを保管する際に活用できます。普段であれば食べ物などの保存に、災害時には携帯トイレの保管などに活用しましょう。



使用済みのおむつをアルミホイルで包むと、臭気をどのくらい抑えられるか実験しました。
- (1)包んでいないおむつ
- (2)アルミホイルで包んだおむつ
〈アルミホイルを1.5周巻いて包む〉
それぞれを袋に入れ5分間放置したあと、「においセンサー」で臭気レベルを測定しました。
結 果


アルミホイルで包んだ方が臭気が抑えられました!
- ※臭気指数1の試験空間での5分後の効果です。ご使用状況により効果は異なります。
- ※厚さ11μmのアルミホイルを使用してUACJ R&Dセンターにて実験しました。
保温
アルミホイルは、物体から放出される熱(輻射熱)を反射する性質があります。身体にアルミホイルを巻くと、身体から放出された熱をアルミホイルが反射し熱を中に閉じ込めることで、体温の低下を抑えます。



アルミホイルを手に巻くと、どのくらい保温できるか実験しました。
- (1)何も巻かない手
- (2)アルミホイルを巻いた手
〈アルミホイルを一周巻く〉
それぞれを5分間放置したあと、手の表面温度を「サーモグラフィー」で計測しました。
結 果


アルミホイルを巻いた方が保温できました!
- ※最高気温15.9℃、最低気温12.9℃の試験空間での5分後の効果です。ご使用状況により効果は異なります。
- ※厚さ11μmのアルミホイルを使用してUACJ R&Dセンターにて実験しました。
遮熱、光の遮断
アルミホイルは赤外線や紫外線などの光線をきわめて良く反射するという性質があります。そのため、窓などに貼ることによって、太陽による光や熱を遮断し、室内の温度上昇を抑えることができます。



同じ車種・色の自動車を2台用意し、窓にアルミホイルを貼ると車内の温度上昇がどのくらい抑えられるか実験しました。
- (1)窓に何も貼らない
- (2)窓にアルミホイルを貼る
〈アルミホイルを重ねず1枚でフロントガラスとドアガラスに貼る〉
その後気温が下がるまで、1時間ごとに車内の温度を測定しました。
結 果


アルミホイルを貼った方が車内の温度上昇を抑えられました!
- ※外気温約31℃の際のシルバーの自動車での使用効果です。ご使用状況により効果は異なります。
- ※厚さ11μmのアルミホイルを使用してUACJ R&Dセンターにて実験しました。
豆知識コラム:遮熱と熱伝導の違い
アルミホイルの混同しやすい性質として「熱伝導」と「遮熱」があります。「熱伝導」は、「直接触れている物体からの熱をよく通す」という性質で、温まるのも冷えるのも早いという特徴があります。一方、「遮熱」は、「直接触れていないときは熱を反射する」という性質です。
この特徴をふまえ、防暑のため窓にアルミホイルを貼るより効果的な方法について考えてみましょう。窓の内側にアルミホイルを貼ると、もしガラスが太陽光によって温まっていた場合、ガラスに直接触れたアルミニウムが「熱伝導」によって熱を帯びてしまい、室内温度は上がってしまいます。ここでは、窓の外側にアルミホイルを貼るのがより効果的な方法です。そうすることで太陽光による熱を反射し、室内の温度上昇を抑えることができます。
