UACJを支える資産

研究開発

アルミニウムの新たな可能性を追求

アルミニウムは発見から200年、工業生産の開始から120年あまりという“若い素材”であり、いまだ多くの知られざる特性を秘めています。UACJグループは、こうしたアルミニウムの特性の発現に挑むとともに、お客様の多様なニ-ズにお応えするため、材料設計・生産プロセスに関する基盤技術の開発から、製品開発、さらには利用技術開発まで、トータルな研究開発を進めています。また、世界最先端の研究機関とも積極的に連携し、新たなイノベーションの創出を目指しています。

グループの研究開発拠点である「技術開発研究所」を軸に

「技術開発研究所」は、UACJグループの技術開発の「要」として、グループ共通、および各社の抱える課題の解決はもちろん、その成果を最大限にすべく研究開発を担っています。統合前の拠点を集約することで、お客様のニ-ズに迅速にお応えするとともに、時代を一歩先取りした革新的な製品・技術開発を目指しています。

また、解析・分析センターとしての機能も兼ね備えており、最新鋭の透過電子顕微鏡をはじめとする組織解析や成形試験などの評価装置を取り揃えています。

2014年度からは、UACJグループの研究成果や新製品・新技術を紹介するツールとして、年1回「UACJ Technical Reports」を発行しています。

技術開発研究所の写真
技術開発研究所

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生産

世界に誇る、生産設備

UACJグループの競争力の源となっているのが、世界でも有数の生産設備群による“ものづくり力”です。熱間・冷間圧延から押出、鋳造、鍛造まで、業界屈指の大規模設備を駆使して、他社にはできない大型製品の製造や、効率性の高い大量生産を実現しています。

たとえば、主力工場である福井製造所の熱間圧延ラインには、全長400メートル、幅4.3メートルに及ぶ、世界最大級の大型圧延機を有しており、板厚を自動で制御する「AGC(自動板厚コントロール)システム」によって高品質な圧延を実現。LNG船用部材や航空宇宙用途など、超幅広で均一なアルミニウム厚板が求められる分野で活躍しています。加えて、原料の溶解工程には国内最大級の大型トップチャージ溶解炉、圧延後の矯正工程には国内最大級となる5,600トンの引っ張り能力を持つストレッチャーを導入し、業界屈指の品質を実現しています。

また、鋳鍛工場では国内最大の規模を誇る1万5,000トンの大型鍛造プレス機が稼働。飲料缶の蓋材ラインでは、アルミニウム板コイルのひずみ矯正から表面処理、塗装・焼付、表面検査、欠陥部マーキングまでを高速で一貫処理する業界初の塗装ラインが稼働するなど、各事業拠点それぞれが最先端の設備を有しています。

全長400メートル、幅4.3メートル
世界最大級の大型熱間圧延ライン

生産の最適化で、統合シナジーを創出

国内有数のアルミニウムメーカー2社が統合したことで、生産能力がさらに増強されました。統合のシナジーをより効果的に発揮していくため、各拠点で重なっていた生産品種については、拠点ごとの設備能力や特徴を踏まえて整理・移管を進めることで、グループ全体で最適な生産配分を実現しています。

福井製造所は缶材とLNG船用厚板を中心に、名古屋製造所は自動車材や印刷版用板材、フィン材などを総合的に担い、深谷製造所はLNG船用を含めた厚板主体、そして日光製造所は仕上工程専門と、拠点ごとに生産品種を絞り込むことで、生産効率とコスト競争力を高め、利益体質の強化につなげていきます。

世界最高水準の板厚制御技術

安定供給という責任を果たし続けるために

近年では、経済発展を背景に、新興国を中心としてアルミニウムの需要が拡大しています。なかでも急増しているのが東南アジア周辺地域ですが、日本や中国、韓国などを除いては、まだまだ供給力も不足しています。

UACJグループは、こうした旺盛な需要に対し、メーカーとしての供給責任を果たし続けるため、日本、タイ、米国を基軸にしたグローバル供給体制の強化を推進しています。なかでもタイでは、2012年から日本のアルミニウム圧延メーカーとして初となる「海外一貫生産工場」の建設を進めてきました。2015年夏には一貫生産体制が確立し、今後もアジアにおける中核拠点として、さらなる増強を計画しています。

タイ新工場の写真

特集 グローバル競争力を強化するために

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品質管理

お客様の求める確かな品質を実現するために

UACJグループでは、品質担当役員が委員長を務める「品質委員会」がグループ全社の品質管理を統括するとともに、事業セグメントごとに品質管理組織を設定し、各組織が本社技術部とベクトルを合わせながら、品質管理活動を推進する体制をとっています。この体制のもと、「品質基本方針」および「年度品質管理方針」に基づき、事業ごとに品質改善活動を推進しています。たとえば圧延品では、鋳造、熱間圧延、冷間圧延および仕上工程に最先端の制御技術を組み込み、業界屈指の品質を実現するとともに、独自のノウハウを結集した万全の品質保証体制を構築しています。なかでも、多くの人命を預かる航空機用の厚板については、航空機メーカーからの厳しい品質要求に応えるため、航空宇宙品質マネジメントシステムの国際統一規格である「AS9100」の認証を取得し、世界でも数少ない認定工場として指定されています。

さらに、これら国内拠点で培った品質管理の技術・ノウハウを、海外拠点にも展開していくことで、グローバル市場における信頼感をさらに高めていきます。