UACJを支える資産

研究開発力と生産力

真摯に“ものづくり”に取り組み、
お客様のニーズに応えています。

研究開発

UACJグループの研究開発の“要”となる「技術開発研究所」では、グループ共通の課題や各社それぞれが抱える課題の解決に取り組んでいます。また、最先端の透過電子顕微鏡をはじめ、組織解析や成形試験などの評価装置を取り揃えており、解析・分析センターとしての機能も備えています。

統合にともない、各事業所に点在していた研究拠点を集約することで、お客様のニ-ズにより迅速にお応えするとともに、時代を先取りした革新的な製品・技術開発を目指しています。

また、お客様をはじめ広く社会に研究成果や新製品・新技術を紹介するため、2014年度から「UACJ Technical Reports」を年一回発行しています。

生産

生産設備

UACJグループは、熱間・冷間圧延から押出、鋳造、鍛造まで、アルミニウム業界において世界屈指の大規模設備を備えています。これらを駆使して、他社にはできない大型製品の製造や、効率性の高い大量生産を実現していることが、グローバル市場で勝ち抜ける競争力の源となっています。

国内の主力工場の1つである福井製造所では、全長400メートル、幅4.3メートルに及ぶ、世界最大級の熱間圧延ラインを有しており、LNG船用材や航空宇宙用途などにアルミニウム厚板を供給しています。これら用途では、超幅広な厚板を均一なサイズで提供することが求められますが、板厚を自動で制御する「AGC(自動板厚コントロール)システム」によって高品質な圧延を実現しています。また、原料の溶解工程には大型トップチャージ溶解炉、圧延後の矯正工程には5,600トンの引っ張り能力を持つストレッチャー、鋳鍛工場では1万5,000トンの大型鍛造プレス機など、いずれも国内最大級の設備が稼働しており、確かな品質を実現しています。

さらに、飲料缶の蓋材ラインでは、アルミニウム板コイルのひずみ矯正から表面処理、塗装・焼付、表面検査、欠陥部マーキングまでを高速で一貫処理する業界初の塗装ラインが稼働するなど、各拠点それぞれが最先端の生産設備を有しています。

生産の最適化

UACJグループでは、国内有数のアルミニウムメーカー2社の統合シナジーをより効果的に発揮していくため、グループ全体で最適な生産配分を追求。製品それぞれの需要動向を見据えつつ、拠点ごとの設備能力や特徴を踏まえながら、各拠点で重なっていた生産品種の統合・移管を進めています。

たとえば、福井製造所では缶材とLNG船用厚板を中心に生産し、名古屋製造所では自動車用材や印刷版用板材、フィン材などを総合的に担当。深谷製造所はLNG船用を含めた厚板が主体、そして日光製造所は仕上工程を専門に担うなど、拠点ごとに生産品種を絞り込むことで、生産効率とコスト競争力を高め、利益体質の強化につなげていきます。

安定供給

UACJグループは、事故や震災など万一の事態に際しても、お客様や社会に対する供給責任を果たし続けることを重視しています。そこで、大規模地震や新型インフルエンザなど、さまざまな事態を想定し、重大な被害が発生した場合も重要製品やサービスの供給を継続できるよう、あるいは早期に供給を再開できるよう、事業継続計画(BCP)を策定。災害発生時に従業員の安全を確保するための緊急連絡網を整備するとともに、二次災害を未然に防止し、速やかに復旧に取り組むための体制を構築しています。さらに、2015年度から導入を進めている従業員安否確認システムを、2016年度中にはグループ全社に導入を完了させる計画です。

品質管理

品質管理体制

UACJグループでは、グループ全社の品質管理を統括する最高機関として、品質担当役員を委員長とする「品質委員会」を設置し、グループ全社の品質状況や、品質に関する重大事故などに関する報告と審議を行っています。また、事業セグメントごとに品質管理組織を設置し、各組織の責任者が技術部との連携のもとに品質管理活動を推進する体制としています。

また、UACJおよびグループ各社では品質マネジメントシステムの国際認証を取得しており、この認証に則して品質管理を実践しています。まだ認証を取得していない一部のグループ会社については、技術部が国際認証の要求事項に則した管理ができるよう支援しています。

具体的な品質管理活動は、「品質基本方針」のもとに年度ごとに策定する品質目標や重点課題に基づき実施しています。2015年度もこれらの目標、課題を踏まえた取り組みを進めた結果、重大品質不具合、クレーム・苦情件数ともに、グループ全体で前年度より減少できました。この成果を踏まえ、2016年度は、「品質の底上げを図り、世界的な競争力を持つメジャーグループを実現しよう」をスローガンに、さらなる品質改善を展開しています。

なお、現在当社グループ内で重大品質不具合により販売禁止、もしくは係争の対象となっている製品はありません。

2016年度品質目標

  1. 重大品質不具合(品質異常)ゼロ
  2. クレーム・苦情件数は前年度実績の10%以上改善

重要課題

  • 真因の追究による再発防止、及びヒューマンエラーの防止
  • 顧客ニーズ及び期待の把握と迅速対応による顧客満足度の向上
  • 適切な教育・訓練または経験に基づいた、必要な力量の確保と認識の確実化
  • 製品移管における技術の融合と品質管理の強化

顧客満足度向上

UACJグループは、経営理念と品質基本方針に「お客様の満足と信頼を得る製品とサービスの提供に努める」ことを掲げています。

これに基づき、日々の活動においてお客様とのコミュニケーションを重視する一方で、「顧客満足度調査」を定期的に実施しています。調査内容は、製品品質、梱包輸送、品質対応、技術開発、納期対応、営業対応と多岐にわたっており、調査結果を精査・分析して改善活動に反映させるとともに、新製品開発などにも積極的に取り込んでいます。

さらに、お客様との交流会を開催し、直接うかがったご意見やご要望を、品質、納期、製品開発に活かしています。

また、お客様から寄せられるクレームに対しては、具体的な数値目標を掲げて削減に取り組んでおり、重大な品質不具合についてはグループ全体で情報を共有し、類似事故の発生防止に努めています。

2016年度品質目標

  1. 重大品質不具合(品質異常)ゼロ
  2. クレーム・苦情件数は前年度実績の10%以上改善

重要課題

  • 真因の追究による再発防止、及びヒューマンエラーの防止
  • 顧客ニーズ及び期待の把握と迅速対応による顧客満足度の向上
  • 適切な教育・訓練または経験に基づいた、必要な力量の確保と認識の確実化
  • 製品移管における技術の融合と品質管理の強化