リリース・お知らせ 2023年

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2023年「年頭の辞」

2023年1月5日

株式会社UACJ
代表取締役
石原 美幸

ご安全に。
新年おめでとうございます。

皆さんそれぞれ、心新たにこの新しい年を迎えられたことと思います。年末年始に工事やその立ち上げ、稼働などのために休日出勤された皆さん、大変ご苦労さまでした。また、海外で新年を迎えられた従業員とそのご家族の皆さんにも改めて感謝申し上げます。

さて、年頭にあたり、昨年の当社グループの主な活動を振り返りたいと思います。

昨年は、エネルギー価格の高騰や、半導体不足による自動車の減産など影響を受け、その対応に追われた一年でありました。こうした中、当社グループは「UACJ VISION 2030」の実現に向けた「第三次中期経営計画」の2年目として、5つの重点課題を掲げて取り組んできました。

  1. 安全・コンプライアンス

    新型コロナウイルス感染拡大への対応については、多くの従業員の皆さんが感染予防に努めつつ、お客様への影響を最小限に留める工夫を重ねてくれました。

  2. 構造改革の完遂

    2019年に開始した構造改革は、価格決定構造の見直しを追加し、着実に成果が発揮されました。

  3. 「UACJ VISION 2030」実現に向けた取り組み

    需要が拡大するアルミ箔事業において、「UACJ VISION 2030」に掲げる「成長分野や成長市場の需要捕捉により、より広く社会の発展に貢献する」ことを実現すべく、UACJ製箔と東洋アルミニウムの経営統合を発表しました。事業基盤をより強固なものとすることにより、当社グループとともにさらなる発展を遂げていけると考えています。
    板事業では、防災および気候変動対応を目的とした、アルミボトル缶の備蓄水と供給ネットワークサービス「水の架け橋」、押出事業では、防災用の止水板「水用心」、箔事業では、開封検知箔を利用した「お知らせ箔」サービス、加工品事業では、折りたたみ可能なパーソナルブース「origami™ +work」の開発など、新規領域への展開により、社会課題の解決に貢献する取り組みを推進してきました。

  4. サステナビリティ推進

    3月に人権基本方針を策定し、6月に、2050年に向けたScope1・2でのカーボンニュートラルへの挑戦を宣言しました。具体的には、飲料メーカー・缶メーカーと世界初の100%リサイクル缶の実現、自動車メーカーと共同開発したリサイクルアルミ材が軽金属学会で表彰されるなど、アルミニウムの循環型社会へ向けた素材としての可能性をPRしてきました。

  5. 個人の成長と組織の強化

    技能伝承の仕組み化、職場マネジメント力強化と職場活性化を目指す活動について、グループ各拠点への展開が進みました。
    また、当社グループの継続的な発展には社員の健康の保持・増進が不可欠との考えのもと、これまで以上に積極的に取り組んできた結果、昨年「健康経営優良法人」の認定を取得しました。

コロナ禍の長期化や国際情勢の変化により、先行きの見通しがしづらい状況が続いていますが、皆さんが未来志向で、困難な課題にも臆することなく挑戦してきたからこそ、昨年も多くの取り組みを進めることができました。改めて感謝申し上げます。

それでは、今年の行動目標について述べます。
まず、安全とコンプライアンスは当社グループの経営における基本となるものです。その他の重点的な取り組みについて述べます。

  1. 第3次中期経営計画の達成に向けた行動

    2021年からの第3次中期経営計画は2023年度が最終年度です。キャッシュフロー創出と資本効率向上を意識し、需要を最大限に捕捉し、財務目標を達成していきます。また、非財務目標についても、達成に向けて各施策を実行していきます。

  2. 「UACJ VISION 2030」実現に向けた行動と第4次中期経営計画立案

    「UACJ VISION 2030」の実現に向けて、「モビリティ」「ライフスタイル・ヘルスケア」「環境・エネルギー」分野での貢献を模索し続けるとともに、2024年度からスタートする第4次中期経営計画の策定を進めていきます。

  3. 軽やかな世界の実現に貢献する取り組み

    アルミニウムのサーキュラーエコノミーの心臓になるという強い意気込みで各施策に取り組んでいきます。

  4. 個人と組織の成長

    個人の成長と組織力の強化に取り組むとともに、人権への配慮と多様性の尊重が浸透した価値観を醸成し、心身ともに健康で活力ある職場づくりとエンゲージメントの向上を図っていきます。

グループ一丸となって取り組んできた構造改革も、目標達成まであとわずかです。これまでの積み重ねにより、2022年3月期決算は、過去最高の売上高7,829億円、営業利益595億円を達成しました。これは皆さん一人ひとりの成果であり、社会において当社が果たしている役割が、これまで以上に大きくなっていることを示しています。引き続き「全員野球」の精神で取り組み、さらなる飛躍を遂げるための強固な基盤を作りましょう。

今年の10月で、UACJは発足10周年を迎えます。また、アルミニウム圧延事業開始125年目の記念すべき年です。私たちの先人たちもこれまで多くの困難に直面し、それらを乗り越えてきました。この節目をお祝いするとともに、改めて先人たちが大切にしてきた考え方を振り返り、当社グループがこれからの100年も必要とされる企業であり続けるために何をすべきか、一緒になって考え、取り組んでいきましょう。

UACJグループ、および関係する各社の皆さんとそのご家族のご健勝を心より祈念して、私の新年の挨拶とさせていただきます。

ご安全に。