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グローバルな競争力を持つ
アルミニウム
メジャーグループを目指し、
成長に向けた基盤強化を
着実に実行しています。

代表取締役社長
岡田 満

代表取締役社長
岡田 満

2017年3月期を振り返って

2017年3月期のアルミニウム市況は、アルミニウム圧延品の需要が国内外ともに拡大しました。当社が主力とする缶材の国内市場は前年並みに推移した一方、成長分野である自動車用部材が伸長したほか、2017年3月期下半期から液晶・半導体製造装置向け厚板についても国内需要の増大傾向がみられるなど、旺盛な市況が続きました。

このような市場環境のもと、当社グループは中期経営計画「Global StepⅠ」(2016年3月期~2018年3月期)に基づき、自動車用部材などの成長分野や東南アジアを中心とした成長市場に向けた投資を積極的に進めています。その成果が着実に現れつつあり、主力の缶材の販売数量は、UACJ (Thailand) Co., Ltd.(以下、UATH)の一貫生産体制が本格化したことが寄与し、2016年3月期比で増加しました。また、米国ローガン工場から自動車用パネル材の製造販売会社Constellium-UACJ ABS LLC(以下、CUA)向けに母材の供給を開始したことにより、自動車用パネル材の販売数量も伸長しました。これらの結果、2017年3月期のグループ全体での販売数量は102万トンと、統合後初めて100万トンを突破することができました。

販売数量は増加したものの、地金価格下落や為替換算の影響を受けて、売上高は5,683億円(前期比1.3%減)となりました。しかし、エネルギー単価の下落や国内における最適な生産体制の構築が概ね完了したことなどによるコストダウン効果やUATHの損益改善が貢献し、営業利益は259 億円(同70.1%増)、経常利益は198億円(同65.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は87億円(同70.7%増)と、大幅な増益を達成しました。

連結経常損益分析
*1 Constellium-UACJ ABS LLC
*2 UACJ Australia Pty. Ltd.

成長分野・成長市場での事業強化について

中期経営計画「Global Step Ⅰ」は、“世界的な競争力を持つアルミニウムメジャーグループ”を目指すための「基盤強化」の期間と位置付けており、その2期目にあたる2017年3月期は、さらなる成長に向けた次なる投資を決定するなど磐石な体制の構築を推進した1年でした。

「基盤強化」に向けた投資のターゲットは、自動車用部材などの「成長分野」と東南アジアを中心とした「成長市場」です。まず、成長分野である自動車ビジネスに対しては、2016年10月にグループ横断的な戦略を立案する「自動車事業推進本部」を立ち上げるとともに、市場拡大が見込める米国において供給体制の整備に注力しました。成長市場についても、東南アジアの中心拠点となるタイでUATHの生産能力の増強に向けて習熟度を高めるなど、最適なグローバル生産体制の構築に向けて大きな前進を果たすことができました。

中期経営計画の位置付け
中期経営計画の位置付け

タイ:UATHラヨン製造所の生産能力の増強

UATHラヨン製造所の一貫生産体制の立ち上げから1年半が経過しました。このラヨン製造所は、過去2回の投資により年間18万トンの生産を可能としており、この生産規模はアジア地域でトップクラスです。タイおよび東南アジアへの供給に留まらず、中東から豪州までを供給エリアとし、50社以上の顧客に缶材・熱交換器材・一般材を供給する「グローバルサプライヤー」としての認識が広がりつつあります。

UATHの供給エリアでは、経済成長や人口増を背景に缶材の需要が拡大しており、2020年の缶材需要は125万トンに達することが予測されています。この旺盛な需要に応えるために、当社グループでは2016年11月に390億円の第3期設備投資を決定しました。鋳造、冷間圧延、表面処理・塗装ラインを増強し、年産32万トンまで生産能力増強を図ります。

一方、現場の習熟度も徐々に向上し、2017年3月期の販売数量は前期より約3万トン増加し、6.5万トンとなりました。現在、ラヨン製造所の販売数量は月産8~9千トンで推移しています。2018年3月期の下期には月産1.3万トンに拡大、さらには2019年3月期中の経常利益黒字化を目指して、高品質でコスト競争力のある東南アジアの基幹工場として、体制整備を進めていきます。

UATHの供給エリア
豪州・アジア*・中近東・インド・アフリカの缶材需要見通し
*日本・中国除く
投資効果の実現(UATH)

北中米:成長分野での供給体制を強化

北中米市場では、燃費規制の強化に対応するために自動車用部材のアルミニウム化が拡大しています。2020年に100万トン以上の需要を見込む自動車用パネル材市場に向けて、缶材のグローバル供給メーカーも生産シフトを進めています。その一方で、世界最大の需要がある北中米の缶材市場では、供給が不足する懸念が生じています。

そうした市場環境のなかで当社グループは、缶材生産において圧倒的な生産効率を誇るTri-Arrows Aluminum Inc. (以下、TAA)ローガン工場への196億円規模の設備投資を2016年11月に決定しました。生産能力の増強と収益力の改善を同時に行い、懸念される缶材の供給を積極的に担うとともに、成長分野の自動車用パネル材の母材供給量を増やすための準備を進めていきます。

また、2016年6月にサンプル出荷を開始した自動車用パネル材の製造販売会社CUAは、ローガン工場などからの母材供給を受けて順調に稼働しています。さらに、2017年2月には、自動車用構造材需要の増加を見据えてUACJ Automotive Whitehall Industries, Inc.(以下、UWH)に最新鋭設備の導入を決定しています。

北中米のグループ会社が一体となったTAA、CUA、UWHの強力な供給体制を確立することで、自動車用パネル材・構造材の需要増と缶材の供給懸念を両睨みしつつ、拡大するビジネス機会を積極的に取り込んでいけるよう、さらなる体制強化に取り組んでいきます。

北米における自動車用パネル材市場需要
北中米の缶材需要見通し
投資効果の実現(TAA)

資金調達による財務基盤の強化

このような積極的な投資に対する資金を確保するとともに、さらなる財務基盤の強化を目指して、2017年3月に公募増資146億円、劣後ローン400億円の資金調達を実施しました。公募増資は、UATHの第3期設備投資資金として発行したコマーシャル・ペーパー200億円の充当として調達し、劣後ローンは、主に設備投資資金への対応として調達しました。劣後ローンは、株式会社格付投資情報センターより50%の資本性を認められ格付上の資本性強化に貢献するもので、公募増資と同時に実施することで、株価の希薄化を最小限に抑えながら環境変化に対応しうる強固な財務基盤を確立させます。そして、この財務基盤のもと、さらなる成長を図っていく考えです。

今後の見通しと株主還元について

2018年3月期の業績予想につきましては、缶材・自動車用パネル材・リチウムイオン電池用アルミニウム箔などの需要増加が想定されることから、売上高6,300億円、営業利益360億円、経常利益300億円、親会社株主に帰属する当期純利益170億円と、大幅な増収増益を見込んでいます。株主還元につきましては、設備投資および財務状況を勘案して安定的な配当を継続し、2017年3月期と同様に1株につき中間3円、期末3円の年間合計6円を予定しています。

2018年3月期は、中期経営計画「Global Step Ⅰ」の最終年度にあたります。これまで旺盛な市場を背景に積極的な投資を続けてきましたが、その投資効果を最大限発揮できるよう、“世界的な競争力を持つアルミニウムメジャーグループ”実現に向けた体制づくりを進めていきます。なお、さらなる成長を描く次期中期経営計画については、2018年3月に発表予定です。

株主の皆様には、UACJグループの成長にご期待いただくとともに、引き続き変わらぬご指導、ご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

※ 単元株式数変更および株式併合(2017年10月1日に変更)前のベースで表記