リリース・お知らせ 2024年
2024年度新入社員への社長メッセージ
2024年4月1日
株式会社UACJ社長の田中信二による「2024年度新入社員への社長メッセージ」を以下のとおりお知らせいたします。
ご安全に。
皆さん、入社おめでとうございます。
UACJグループを代表して、皆さんを心から歓迎します。
UACJは、2023年10月に発足10周年を迎えました。さらに2023年はアルミ圧延を開始して125年の記念すべき年でもありました。10月10日には、全世界のUACJグループの仲間とともにその日を祝い、これからのUACJを作っていく、と決意を新たにしました。そして今日、皆さんを仲間として迎え入れ、次の10年、100年を皆さんとともに作り上げていきたいという気持ちでいます。
我々を取り巻く環境に目を向けると、国際情勢は予断を許さない一年となりました。国内では、新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行に伴い、社会経済の正常化が進み、景気は緩やかな回復基調に転じました。物価上昇が続くなどの厳しい経営環境もありますが、世界の暮らしや産業を支えるため、「UACJグループが世に送り出す製品は、なくてはならないものだ」という使命感を持ち、事業活動を行っています。UACJグループの従業員全員が一丸となり、ともに社会的使命を果たしていきたいと考えています。
今日は大きく3つのことをお伝えします。
はじめに、UACJグループ理念についてです。
従業員全員がUACJの存在意義（パーパス※1）、企業理念や目指す姿、大切にしたい価値観に共感できていることが最も大切なことだと考えます。これまでもさまざまな環境変化を乗り越えてきましたが、今後どのような環境変化が起きようとも、全員が同じ目標に向かい取り組む体制を築くため、2020年2月にUACJグループ理念が再定義されました。
皆さんにはこの企業理念の話を最初にします。UACJグループの企業理念体系は、企業理念、目指す姿、価値観で構成されています。企業理念は、「素材の力を引き出す技術で、持続可能で豊かな社会の実現に貢献する。」、目指す姿は「アルミニウムを究めて環境負荷を減らし、軽やかな世界へ。」です。
これらの実現に向けて、UACJグループ一人ひとりの行動の羅針盤として、「UACJウェイ」を定めました。皆さんには、これからお話するUACJウェイの3つの価値観を念頭に置きながら、配属される各職場で若い力と感性を思う存分発揮していただき、成長、活躍されることを期待しています。日々の業務において、皆さんが物事の判断に迷った時や新しいことを始める時、困難に立ち向かう時には、UACJウェイに立ち返り、3つの価値観のうち、一つでも当てはまると思う方向に進んでください。
価値観の1つ目は、「相互の理解と尊重」です。
皆さんが配属される職場は、さまざまなバックグラウンドや考え方を持つメンバーで構成されています。当社では、このような多様な人材が、互いの価値観や個性を受け入れながら、個人が成長し組織が強くなるために、DE&I※2を目指しています。職場に配属されたら、まずは元気にあいさつし、人とのつながりを通して自身の視野や活動を広げ、魅力的な人間になってほしいと思います。
価値観の2つ目は、「誠実さと未来志向」です。
当社の先人たちは、会社は世の中の役に立つためにあるという思いのもと、お客さまの期待に沿う品質・納期・コストの実現を愚直なまでに追求することで、UACJグループらしい「誠実なものづくり」を実践し、お客さまの信用を勝ち得てきました。この実現には、現場・現物・現実を正確に捉え、原理・原則に照らした「5ゲン主義」に基づいて行動することが必要です。皆さんは、いかなる時も誠実に人と製品に向き合い、アルミニウムを究めるべく、努力と研さんを積み重ねてください。
価値観の3つ目は、「好奇心と挑戦心」です。
新型コロナウイルスや気候変動問題は、技術革新や生活様式の変化を加速させています。これからの10年で、さまざまな新しい技術や製品、サービスが生まれることでしょう。このような環境変化に適応していくためには、日頃から「好奇心」を持ち、これまでの前例や常識にとらわれない「挑戦心」のもと、解決策を形にしていくことが求められています。皆さんも既成概念にとらわれず、変化し続けることをよしとし、アイデアと情熱を持って新しい仕事に取り組み、アルミニウムの可能性を広げてほしいと思います。
時には、3つのどれにも当てはまらないと思うこともあるかもしれません。その場合は、チームで話し合い解決を導くことが重要です。UACJウェイは個人の成長と、所属する組織の強化を支えてくれます。一人では解決できないことも、チームなら必ず解決できると信じて行動してください。
次に、「UACJ VISION 2030」についてです。
UACJは、企業理念の実現を目指し、2030年の社会への貢献を描いた長期経営ビジョンを策定しています。100年にわたり究めてきた技（わざ）と術（すべ）を集結し、アルミニウムの可能性を広げ、持続可能で豊かな社会の実現に貢献していくために、4つのテーマを定めました。
1つ目のテーマは、成長分野・市場への注力です。成長市場（北米・東南アジア）と成長分野（缶・自動車）を中心に規模を拡大していきます。
2つ目のテーマは、素材＋αの付加価値拡大です。素材に新たな価値を付し、稼ぐ力を向上させます。
3つ目のテーマは、新規領域の創出・拡大です。ライフスタイル・ヘルスケア、モビリティ、環境・エネルギーの3領域へビジネスを拡大していきます。
4つ目のテーマは、環境負荷低減です。リサイクル率向上などによるサプライチェーン全体での環境負荷低減に挑戦していきます。
これらのテーマ実現のためには、皆さんの力が不可欠です。ともに努力と研さんを積み重ね、成長していきましょう。
最後に、UACJウェイのベースとなる行動原則（ものづくり企業としてのあたりまえの行動原則、基盤としての考え方）である「安全とコンプライアンス」についてです。
冒頭に私が申し上げた「ご安全に」という呼び掛けは、ドイツの鉱山で交わされていた「Gluckauf（ご無事で）」という意味のあいさつが由来です。当社においても社員同士が、互いの安全意識を共有・啓発するために、日々この言葉を掛け合っています。皆さんも、「安全がすべてに優先する。自分の身は自分で守る」ことを肝に銘じて、まずはこの「ご安全に」という言葉を、配属された職場で発せられるようになっていただきたいと思います。
コンプライアンスは、社会の公器として最低限順守すべきことです。当社には、安全衛生、環境、品質における法規、顧客仕様、社内の規則など、さまざまなルールがあります。これらのルールを理解し、それに沿った行動から始めてください。
さあ新入社員の皆さん、今日からUACJグループの社会的使命を果たす一員として、「アルミでかなえる、軽やかな世界」の実現と社会課題解決に向けて、可能性を最大限に発揮し、アルミニウムのものづくりを通して取り組んでいきましょう。
皆さんが今感じている新鮮な気持ちを忘れず、UACJグループの社員として、また社会人として、長くかつ実り多い社会人生活を送られることを祈念して、私のあいさつといたします。
ご安全に。
- ※1 パーパス：企業の存在価値や社会的意義
- ※2 DE&I（ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン）：多様性・公平性・包括性