資源保全と廃棄物削減

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廃棄物の削減

UACJグループが取り扱う主原料のアルミニウムの可採埋蔵量は、ほかの金属に比べて豊富で採掘寿命は長いとされています。とはいえ、当社グループは、将来世代に資源を引き継いでいくためにリサイクルを推進し再利用していくことが重要であると考えています。
そのことに加え、近年、海洋プラスチックごみ問題がクローズアップされる等、脱プラスチックや循環型経済の実現が社会的課題とされるようになっています。こうした考えのもと、通常のリサイクルに加えてアルミ缶や自動車材での水平リサイクルを積極的に進めるとともに、廃棄物削減に取り組んでいます。環境活動目標に掲げた「循環型社会の構築」を目指して産業廃棄物量原単位の削減と3R(Reduce、Reuse、Recycle)にRefuse、Repairを加えた5R活動推進に継続的に取り組んでいきます。とりわけ、リサイクルを推進することが、同時にCO2排出量削減につながるような活動に重点をおいています。

※水平リサイクル 使用済みの製品のスクラップを、また同じ製品の原料に戻すリサイクルのこと

2022年度の実績

UACJグループの2022年度の全生産拠点における全産業廃棄物発生量は、32,344tとなり、2021年度比で0.7%減少しました。これは、生産量の減少、廃プラスチック削減の取組み等にともない、産業廃棄物も減少したと考えられます。
今後も引き続き、産業廃棄物の削減およびリサイクル化、有価物化の推進を通じて、循環型社会の構築を目指します。
なお、国内事業場の直接埋め立て比率は、0.04%であり、ゼロエミッション(直接埋め立て比率が1%未満)の目標を継続して達成しました。

UACJグループ(国内+海外)
産業廃棄物量の推移

UACJグループ(国内+海外)産業廃棄物量の推移

UACJグループ(国内+海外)
産業廃棄物量内訳(2022年度)

UACJグループ(国内+海外)産業廃棄物量内訳(2020年度)

※集計範囲:
(国内) UACJ(名古屋、福井、深谷)、UACJアルミセンター(宇都宮カラーアルミ)、UACJ押出加工名古屋(名古屋、安城)、UACJ押出加工小山、UACJ押出加工滋賀、UACJ押出加工群馬、UACJ製箔(滋賀、野木、伊勢崎)、UACJ鋳鍛
(海外) UACJ (Thailand) Co., Ltd.、UACJ Extrusion Czech s.r.o、UACJ Extrusion (Thailand) Co.,Ltd.プラチンブリ工場、、UACJ Foundry & Forging (Vietnam) Co., Ltd.、UACJ Foil Malaysia Sdn. Bhd.、UACJ Automotive Whitehall Industries, Inc.

廃棄物の種類別排出量と主なリサイクル先(2022年度)

廃棄物の種類 排出量(t) 再資源化率(%) 主なリサイクル先(用途)
汚泥 8,222 90 セメント材料
廃油 3,158 94 燃料
木くず 1,880 90 燃料、肥料
廃プラ 1,189 58 燃料
鉱さい 1,160 100 路盤材

産業廃棄物削減事例(2022年度の実施テーマ)

事業拠点名 テーマ名 削減量
t/年
複数事業場 再利用化、有価物化等による廃プラの削減 320
複数事業場 改善活動による汚泥の削減 120
福井製造所 再利用化、有価物化等による廃油の削減 70
複数事業場 業務の電子化等による紙屑の削減 30

産廃分科会

UACJでは、国内の産業廃棄物の多い事業拠点を中心に横断的な産廃分科会を定期的に開催しています。本分科会は、分別および処理情報の整理、各事業拠点の分別状況の確認、整備の推進、各事業拠点の削減方策情報の整理と共有化などを推進し、産業廃棄物量の削減と処理の適正化を図っています。

有害廃棄物の発生状況

UACJグループは、強酸、強アルカリ、引火性廃油等に代表される有害廃棄物の排出は環境に対して高い負荷を与えるものと考え、その削減を図っています。有害廃棄物の定義は、国内では特別管理産業廃棄物とし、海外では各国の法令の規定による有害廃棄物として集計しています。
2022年度の有害廃棄物の排出状況は、国内1,171t(うち、直接埋立1t、中間処理187t、再資源化983t)、海外10,984t(うち、直接埋立398t、中間処理10、260t、再資源化326t)でした。有害廃棄物の削減活動の例としては、押出加工プロセスから排出される強アルカリの一種であるアルミン酸ソーダを、製紙会社の排水処理の中和剤として有効活用していること等が挙げられます。

廃プラスチックの発生抑制

製品の出荷梱包用に使用しているポリエチレンシート等の梱包材は、特に数年前に中国が廃プラスチックの輸入を停止して以降、産業廃棄物としての扱いが増加しており社会的にも問題となっています。そこで、プラスチックの使用量を削減するため、取引先様と協議の上で梱包用シートの薄肉化を進めています。その結果、産業廃棄物としての廃プラスチックの増加を僅少に抑えることができています。また、プラスチック資源循環促進法が2022年4月に施工され社会的要請が高まっていることから、廃プラスチックの再資源化を図っていきます。

廃プラスチックの推移(国内)

廃プラスチックの推移(国内)

木屑の削減

製品素材、製品梱包に使用している木材について、再使用、再利用、他素材への変更等を推進しています。一部の製品素材の梱包材はこれまで主に木材を使用していましたが、木製の梱包材はリサイクルできずに産業廃棄物となってしまうことから、リサイクル活用が一般的となっているダンボール紙を使用した梱包に変更しました。2022年度は、2019年度比で廃木材の排出量を181t(8.8%)削減しました。

廃木材の排出量

廃木材の排出量

梱包材のサーマルリサイクル

包装材として使われる製品の保護シートや結束バンドなどの廃プラスチックは、社外の廃棄物処理業者に委託し、主に廃棄物発電を行う焼却炉の熱源として使用するなど、サーマルリサイクル(エネルギー回収)を行っています。

オフィスの廃棄物削減活動

UACJでは、環境保全への取り組みとして各オフィスにおいて、ごみの分別(紙ごみ、プラスチックごみ)やリサイクル分別(新聞、コピー用紙、雑誌、段ボール)に取り組んでいます。

水資源の有効利用

地球は、表面積の約70%が水で覆われているものの、人間が利用しやすい地表の淡水は地球上のすべての水のわずか0.01%でしかないと言われています。この貴重な淡水資源は地球規模では再生可能である一方で地理的に偏在していることから、世界を見渡せば約7億人もの人が水不足の状況で生活し、不衛生な水しか得られないために年間約180万人の子どもたちが亡くなっているという現実があるなど、国や地域によっては水資源リスクが切実な問題を引き起こしています。
UACJグループは、そのような世界の状況を認識したうえで、水資源の有効利用と水資源管理に取り組んでいます。各事業拠点の水使用量を水源別に把握し、その状況を「事業活動と環境負荷」の項のマテリアルバランスに示しています。

2022年度の実績

UACJグループは、事業活動に必要な水を主に「地下水」「第三者(工業用水、上水を含む)」などから取水して使用しており、取水量が最も多い水源は「第三者」となっています。
排水にあたっては、放流前に中和および凝集沈殿処理を施し、排水の水質レベルをpH、COD、SSなどの各指標で評価し、法令に適した水質レベルであると確認されたもののみを放流しています。
2022年度におけるグループ全体の取水量は、11,191千tとなり、2021年度比で523千t減少しました。これは生産量減少のためと考えられます。

  • ※pH:水素イオン濃度、COD:化学的酸素要求量、SS:浮遊物質量

水使用量および排水量の推移

水使用量および排水量の推移のグラフ

水源別取水量の推移(国内+海外)

(千t)

取水源の種類 2022年度
地下水の取水源 3,371
第三者の取水源 7,820
合計 11,191
放流先の種類 2022年度
淡水の地表水の放流先 7,261
汽水、海水の放流先 273
第三者の放流先 1,922
合計 9,456

※集計範囲:
(国内) UACJ(名古屋、福井、深谷)、UACJアルミセンター(宇都宮カラーアルミ)、UACJ押出加工名古屋(名古屋、安城)、UACJ押出加工小山、UACJ押出加工滋賀、UACJ押出加工群馬、UACJ製箔(滋賀、野木、伊勢崎)、UACJ鋳鍛
(海外) UACJ (Thailand) Co., Ltd.