Furukawa-Sky Review No.6 (April 2010)

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巻頭言

技術研究所における新しい技術への挑戦
Our Challenge to New Technologies at the Techinical Research Center

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これまで福井,日光,小山および深谷の事業所地域毎に設置していた技術研究所の基幹研究所としての機能を集中すべく,2007年深谷地区の技術研究所に必要な資金と人材を投入しました。この技術研究所には各種の分析・解析機器を揃え,技術計算機能を強化し,古河スカイ株式会社の全域にソリューションを提供しています。ここでは,現在約120名の研究者が,社外および社内のご要求に応えています。一方,この集約により生み出した余力を,研究者自身の様々な発想に基づく研究の推進に投入しています。

当社の目指すグローバルマーケットでの存在感を高めるためには,長年にわたり培ってきた既存技術の融合を武器として,新しい技術に挑戦することが不可欠であると考えます。私自身,当時世界最大級のアルミニウム合金板を製造した福井工場の稼動立ち上げ,あるいは現在では世界トップシェアを獲得するまでに成長したターボチャージャ用アルミニウム羽根車の開発を最前線で指揮した経験からこのことを実感しております。

今,世界は,地球温暖化問題や地域環境問題の解決,枯渇鉱物資源から容易に入手できうる素材による新製造技術の開発,エネルギー供給の安定化と使用の効率化など,様々な課題を抱えています。それらの課題解決に寄与すべく,当社の技術開発目標も多岐に渡っています。これまでにも,「グリーン水素プロジェクト」,「水素用アルミニウム材料開発プロジェクト」などの新しいプロジェクトに参画し,技術開発を進めてきました。

しかしながら,当社のポテンシャルは,単にアルミニウム素材開発に限定されるものではないと考えています。そこで昨年は,他研究機関および大学との連携を密とし,新規分野の情報を得て,イノベーション創出の基盤をつくるため,全部門を網羅的に活かせるように「全社開発委員会」を立ち上げました。全社開発委員会により発掘された新技術,新試作装置などを順次導入してきました。本年は,さらに進めた形で,エネルギー分野に係わる諸問題に,当社としてのソリューソンを提供すべく,3つのプロジェクトチームを結成しました。

このプロジェクトチームでは,従来の古典的材料工学あるいは生産技術に捉われず,当社の未踏領域での新技術の萌芽にも注目しています。これら活動のすべてに,当技術研究所が中心的役割を果たすと同時に,当社の世界戦略を睨んだ基幹研究所として,全世界へソリューションを提供していく考えです。

Managing Director Kozo Nishitsuji

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