リリース・お知らせ 2014年

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2014年度入社式 岡田社長挨拶

2014年4月1日

新会社UACJの第一期生となる皆さん、入社おめでとうございます。UACJを代表して皆さんを心から歓迎いたします。

さて、皆さんご承知かと思いますが、あらためて当社の置かれている状況について少しお話をさせていただきます。

一昨年末の政権交代により、アベノミクスと言われる「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」を柱とする経済政策が行われ、国内消費の回復や輸出拡大がなされる一方で、電力・燃料・原料などは値上がりしており、当社のような素材産業においては、なかなかアベノミクスの効果を得られていないのが実情です。

また長期的には高齢化と消費人口減による国内マーケットの縮小傾向が変わることはなく、為替が変化した今でもお客様の海外生産移転は着実に続いており、国内マーケットの縮小は不可避な状態です。一方アジアを中心とした地域では、消費の拡大傾向の伸びしろはまだまだ大きく、成長地域でのサプライチェーン構築はグローバル企業にとって不可欠とも言える構造となっています。同時にこの地域へのアルミニウムメジャーの進出、中国や韓国など新興勢力の台頭も迫っており、強い会社だけが生き残っていけるという様相がさまざまな産業分野で起きています。

このような経済環境の変化に対応するために、新会社UACJは誕生しました。昨年10月1日にアルミニウム圧延製造会社の国内トップ2社である古河スカイと住友軽金属工業が経営統合し、世界的な競争力を持つ強いアルミニウムメジャー企業をめざす体制が整いました。そして、東南アジアおよびその周辺地域の需要拡大に対応していくタイのUATHと、世界最大のアルミニウムマーケットに対応していく米国のTAAを加えた、日本・アジア・米国の3極を中心とした強固なサプライチェーンを構築中です。これにより主要な製品はグローバル供給が可能となりますが、さらに今後は、品質・コスト・デリバリーのいわゆるQCDにおいて、世界トップコンペティターと対等以上の競争力を持つ会社に進化させていかなければなりません。

そのためにはまず危機意識を強く持ったうえで、真の融合を図り、最速かつ最大の統合シナジー効果を出していくことが最重要です。具体的な施策としては、「国内構造改革」「グローバル展開の促進」「新製品、新技術の開発と商品化」「工場・営業・管理部門それぞれの現場力の底上げ」の4本柱を打ち出しています。
UACJグループ全員の力で、着実かつスピーディーに実行していきたいと思います。

皆さんには、この厳しい時代を勝ち抜くための大きな戦力として、若い力と瑞々しい感性を思う存分に発揮していただき、活躍されることを期待しています。そこで、次の二点のお願いをしたいと思います。

第一に「能動的な取り組みで、大きく成長してほしい」ということです。
会社が大きく変貌し、社会も大きく変化し、国内外に沢山の重大な業務があるなかで、皆さんには即戦力として活躍してほしいという期待もあります。しかし企業は人と言われるように、最後は人材の優劣が企業の存亡を支配しますから、同時に多面的な教育環境も提供したいと思います。ただし、なにごとも受動的ではなく能動的に日々全力で取り組んでいただくことが極めて大切です。

第二に「ビジョンの明確化と共有化そして周りとの連携を大切にしてほしい」ということです。
困難なことであればあるほどビジョンを明確に持つことが大事です。あいまいなビジョンは世の中にあふれていますが、組織として個人として明確な目標とその共有化ができれば、仕事の大半は成功します。明確なビジョンを定め、それを共有化し、さらにわたしは「連携すること」が、良い仕事と自分自身の成長に欠かせないキーワードだと思っています。これがしっかりしていれば、自分が果たすべき役割を明確にできます。成功するまでなんどもPDCAを回すことで多くの経験値を積んで、必ず引き出しの多い人材になれます。ぜひこれらを胸に刻んで、大きく成長していただきたいと思います。

当社は、皆さんに国内外で大いに活躍できるフィールドをたくさん提供できる会社です。世界第3位のアルミニウムメジャー会社UACJに入社したことを誇りに思い、そしてなによりも心と体の健康を維持して、共に会社を盛り立てていきましょう。

皆さんが、当社の社員として、また社会人として、実り多い会社生活を送られることを祈念しまして、私の挨拶とします。

※ UATH:UACJ (Thailand) Co., Ltd. TAA:Tri-Arrows Aluminum Inc.