長期経営ビジョン「UACJ VISION 2030」
UACJは、企業理念の実現を目指し、2030年の社会へのUACJの貢献を描いた長期経営ビジョンを策定しました。UACJは、100年に亘り究めてきた技と術を集結し、アルミニウムの可能性を広げることで、持続可能で豊かな社会の実現に貢献していきます。
目指す姿
「アルミニウムを究めて、サステナブルな社会の実現に貢献する」ことを目指し、UACJが貢献したい4つのテーマと新規領域を定めました。
アルミニウムを究めて、サステナブルな社会の実現に貢献する
4つの貢献領域
1.成長分野・市場への注力
成長市場(北米、東南アジア)と成長分野(缶、自動車)を中心に規模を拡大
UACJは、北米のTAA※1、UWH※2、タイのUATH※3に対して集中的に先行投資を行い、生産能力を増強してきました。この能力を最大限に発揮して、全世界で相当な需要増大が予想される缶材、および車体軽量化ニーズがより一層強まることから、アルミニウム製品へのシフトが期待される自動車材を成長分野と位置づけ、これらの分野の市場拡大が見込まれる北米、アジアを中心に事業規模の拡大を図っていきます。
- ※1 Tri-Arrows Aluminum Inc.
- ※2 UACJ Automotive Whitehall Industries, Inc.
- ※3 UACJ (Thailand) Co., Ltd.
缶材需要の推移(千トン)
- 出典: CRU aluminium rolled products market outlook March 2024 report
2.素材+αの付加価値拡大
素材に新たな価値(塑性加工、リサイクル、モジュール、サービス等)を付し、稼ぐ力を向上
UACJは、板をはじめとして多彩な事業を有しており、その先に強固な顧客基盤があります。そこで幅広く接する市場ニーズを正しく深く理解し、“素材”という形で実現できることが強みです。技術優位性とビジネス基盤を最大限に活かして、これまでにない加工、生産プロセスに関するビッグデータの活用、リサイクルなどによる環境価値の創出といった、“素材+α”となる価値を提供し、売り上げと顧客基盤の拡大を図っていきます。
強みと提供価値例
3.新規領域の創出・拡大
ライフスタイル・ヘルスケア、モビリティ、環境・エネルギーの3領域へビジネスを拡大
アルミニウムは、多彩な特性を持ちます。そこに、素材設計、機能設計、生産技術といった「基礎技術」、接合・接着技術や熱マネジメント技術などの「応用技術」を掛け合わせることで多種多様な製品を生み出すことができます。UACJは、これら基礎技術、応用技術に磨きをかけ、新たな領域での事業展開を目指します。
また、板・押出・加工品事業の組み合わせから自動車部品事業を展開したように、複数の事業を活かして、各事業の隣接領域で得たノウハウ、および事業間シナジーを土台に新領域の創出を図っていきます。
事業領域拡大イメージ
4.環境負荷低減
リサイクル率向上等によるサプライチェーン全体での環境負荷低減
アルミニウムの製品ライフサイクルにおいては、新地金製造時のCO2排出量が最も多く、使用済みアルミニウムを地金として再利用すると新地金製造時と比べてCO2排出量を97%削減できます。
UACJでは、自社内での製造工程時のCO2排出量削減や、アルミニウム製品の供給を通じた製品軽量化や熱効率向上などに加えて、リサイクルを推進。2050年カーボンニュートラルへ挑戦※します。
- ※ Scope1,2における
バリューチェーン全体で取り組む環境負荷低減
マテリアリティ
UACJは、これからの持続可能な社会の実現に貢献するための「サステナビリティ基本方針」を定めるとともに、それに基づく重要な活動課題として5つのマテリアリティを特定しています。これらのマテリアリティはSDGsに密接に結びついており、グループ全員で取り組んでいきます。
UACJのマテリアリティ
- 「アルミニウムの循環型社会」の牽引(サーキュラーエコノミー)
- 気候変動への対応
- 自然の保全と再生・創出(ネイチャーポジティブ)
- 人権の尊重
- 多様性と機会均等の浸透(DE&I)
財務・非財務目標
財務目標
2030年度 | |
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売上高 | 11,000億円以上 |
売上高事業利益率 | 6%以上 |
ROE | 10%以上 |
ROIC ※税引前事業利益をもとに算出 |
10%以上 |
非財務目標
サステナビリティにかかわる重要課題(マテリアリティ)
環境に関する3つのマテリアリティ
サステナビリティにかかわる重要課題 (マテリアリティ) |
対応課題 | 評価指標 | 達成目標 | 対象範囲 | ||
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年度 | 目標値 | ベンチマーク | ||||
「アルミニウムの循環型社会」の牽引 (サーキュラーエコノミー) |
アルミ合金のリサイクル率最大化 | UACJリサイクル率 循環アルミ量/溶解炉への装入量 (*純アルミ材を除く) |
2050年度 | 100% | 2019年度 65% |
板事業 押出・加工品事業 |
2030年度 | 80% | |||||
気候変動への対応 | カーボンニュートラルへの挑戦 (Scope1・2) |
Scope1・2排出量の削減率 第6次エネルギー基本計画に基づき算出 |
2050年度 | カーボンニュートラル実現 | 2019年度 原単位 |
UACJグループ全体 (報告範囲) 国内13+海外9拠点 *2023年度時点の対象拠点 |
2030年度 | 30% | |||||
サプライチェーン全体での GHG排出量最小化 (Scope3) |
Scope3排出量の削減率 Category1 |
2050年度 | サプライチェーン全体での GHG排出最小化 |
2019年度 原単位 (Category1) |
UACJグループ全体 (報告範囲) 国内8+海外2拠点 *2023年度時点の対象拠点 |
|
2030年度 | 30% | |||||
自然の保全と再生・創出 (ネイチャーポジティブ) |
水の有効活用による 取水の最小化 |
取水量の削減率 取水は下水再生水含む、工業用水、 水道水、井戸水、地表水を対象 |
2030年度 | 25%以上 | 2020年度 原単位 |
UACJグループ全体 (報告範囲) 国内23拠点+UATH |
Well-beingに関する2つのマテリアリティ
サステナビリティにかかわる重要課題 (マテリアリティ) |
対応課題 | 評価指標 | 達成目標 | 対象範囲 | ||
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年度 | 目標値 | ベンチマーク | ||||
人権の尊重 | 人権侵害の撲滅 | 人権デュー・ディリジェンス実施率 人権デュー・ディリジェンスを実施した グループ会社および拠点等の従業員の総数 /当社グループ従業員数 |
2030年度 | 100% | 2022年度 21% |
UACJグループ全体 |
「グループ行動規範」を通じた コンプライアンス・人権問題の教育 |
人権の尊重の浸透度 コンプライアンス・人権にかかる エンゲージメント調査設問項目の平均点数 |
2030年度 | 3.9 / 5.0満点 | 2023年度 3.6 |
UACJグループ全体 (報告範囲) UACJ本体+国内グループ *エンゲージメント調査対象範囲 |
|
多様性と機会均等の浸透(DE&I) | ダイバーシティ(DE&I)の浸透 | 多様性と機会均等の浸透度 ダイバーシティ(DE&I)にかかる エンゲージメント調査設問項目の平均点数 |
2030年度 | 3.4 / 5.0満点 | 2023年度 3.1 |
UACJグループ全体 (報告範囲) UACJ本体+国内グループ *エンゲージメント調査対象範囲 |
多様な人材の活躍推進 | 女性管理職比率 役員を除く |
2030年度 | 15% | 2023年度 8.5% |
UACJグループ全体 |
その他重要な取り組み
その他重要な取り組み | 対応課題 | 評価指標 | 達成目標 | 対象範囲 | ||
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年度 | 目標値 | ベンチマーク | ||||
製品の品質と責任 | UACJグループでの品質管理体制の構築 (UACJの当たり前の実践) |
重大品質事故件数 | 2030年度 | ゼロ | - | UACJグループ全体 |
客先クレーム件数 (素材有責) |
2030年度 | 2020年度比 半減 |
2020年度 実績 |
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労働安全衛生 | 重篤災害ゼロを継続できる実力と文化の構築 (UACJの当たり前の実践) |
重篤災害発生件数 | 2030年度 | ゼロ | - | UACJグループ全体 |
労働災害の発生頻度の低減 (UACJの当たり前の実践) |
総合度数率 | 2030年度 | 0.08 | - | ||
地域との共生・共創 | 次世代を担う子どもたちへの 様々な経験機会の創出 |
教育支援活動の受益者数 | 2030年度 | 1,000人/年 | - | UACJグループ全体 |
人材育成 | 新たなビジネスを創出する人材の育成 (人材力の強化) |
新事業育成に携わった人数 | 2030年度 | 累計30人超 | - | UACJグループ全体 |
- (注)UACJグループ全体:UACJ連結グループ(※ただし、持分法適用会社、持株会社は含まない)、UAC本体:(株)UACJ、国内グループ: 国内のグループ会社
- (注)総合度数率:統計期間中の延べ労働時間あたりの労働災害による死傷者数(不休業を含む)を100万時間で換算した労働災害の発生状況(頻度)を評価する指標