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「UACJ VISION 2030」を策定し、
新たな成長の実現と
社会変革へ貢献します。

代表取締役社長
石原 美幸

2020年度の概況と第2次中期経営計画の総括

当社グループは、2019年9月に構造改革を公表し、「稼ぐ力の向上」「財務体質の改善」「経営のスピードと質の向上」の3つの方針のもと、総力をあげて主要施策を着実に実行してきました。

2020年度は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり不安定な外部環境でしたが、下半期には、北米の缶材需要が回復したことで米国のTAA※1はもとより、タイのUATH※2においても同エリア向けの缶材を出荷できました。その結果、両拠点の販売数量が大幅に増加し、構造改革の施策でもある大型投資の収益は著しく向上しました。

国内ではコロナ禍におけるテレワークの増加を背景にIT分野が好調に推移。主力の自動車材は上期においては大きく落ち込んだものの、下期から大幅な回復を見せました。しかし、上期の影響が大きく、販売数量は減少となりました。

その結果、連結売上高は5,698億円(前年度比7.4%減)の減収となりました。損益面では、アルミ地金価格の上昇による棚卸評価関係の好転、UATHやTAAの業績改善もあり、連結営業利益111億円(同10.1%増)、連結経常利益60億円(同57.3%増)と増益になりました。最終的には、構造改革にかかる損失や税金費用の計上等によって、親会社株主に帰属する当期純損失は33億円(前期は20億円の利益)となりました。

2020年度を終えて「第2次中期経営計画」は区切りの時期を迎えましたが、誠に遺憾ながら財務目標は達成できず、忸怩たる思いです。これは米中貿易摩擦や新型コロナウイルス感染症拡大などの不安定な外部要因に加え、これらへの対応の遅れが要因であり、大変反省するところです。しかし、構造改革の施策でもあったマネジメント面での改革の実施、収益構造の改善など内部からの敢闘によって目標値に近づけられたと思っています。なかでも先に述べた旺盛な北米缶材需要による「大型投資の収益化」が貢献し、コロナ禍の影響下であっても2年連続でフリー・キャッシュ・フローの黒字化に成功し、3年間で有利子負債を400億円減らすことができました。

  • ※1 Tri-Arrows Aluminum Inc.
  • ※2 UACJ (Thailand) Co., Ltd.
連結経常損益分析

長期経営ビジョンと第3次中期経営計画を策定

当社グループは、2030年までに進むべき道標として長期経営ビジョン「UACJ VISION 2030」を策定しました。外部環境の変化を見ながら2030年の社会で生じる事業機会とリスクに着目しています。2030年はちょうどSDGsが17目標169ターゲットの達成を目指す区切りの年でもあります。このように今後ますます持続可能な社会に向かっていくこと、そしてアルミニウムには潜在的なものも含めて技術革新のニーズは大きいことから「成長分野・成長市場における貢献」「素材+αの貢献」「新規領域での貢献」「CO2削減への貢献」の4つをUACJの方針として定めました。

こうしたビジョンをもとにUACJグループの“2030年のありたい姿と達成目標”を明示しました。また、事業活動を通じた非財務の目標となる6つのマテリアリティにおいてもPDCAサイクルによる活動を推進していきます。

長期経営ビジョンと中期経営計画の位置づけ

「UACJ VISION 2030」

  • 成長分野や成長市場の需要捕捉により、より広く社会の発展に貢献する
  • 素材+αで、バリューチェーン及びサプライチェーンを通じた社会的・経済的な価値の向上に貢献する
  • 新規領域への展開により、社会課題の解決に貢献する
  • 製品ライフサイクルでのCO2削減により、環境負荷の軽減に貢献する
  • ※ これまでにない、またはUACJにとって新しいビジネスモデル=新規領域での新たな事業・製品。また既存領域での新たな製品カテゴリを創出することを目指す。

「UACJ VISION 2030」の実現に向けて、2021年度を初年度とする「第3次中期経営計画」をスタートさせました。「構造改革を完遂し、その先の成長とVISION2030の実現に向けた基盤を確立する」というコンセプトのもと、成長を実現するための基盤強化の3年間と考えています。重点方針として「構造改革の完遂」「成長への基盤の強化」「軽やかな世界の実現への貢献」を掲げ、各テーマに沿った施策を推進していきます。そして、中期経営計画最終年度の2023年度の目標値としては、売上高7,000億円、営業利益300億円、経常利益250億円を計画、ROE7.5%、ROIC6.0%を掲げています。

中期経営計画1年目となる2021年度は、北米の缶材需要に加えて、新型コロナウイルス感染症で低調だった自動車材の需要が盛り返してきたということもあり、フル稼働に近い状態で生産を行うなど大変好調な滑り出しです。この機会を日・米・タイの3極体制で着実に取り込み、増収増益へとつなげていきます。また、財務体質についても大型投資の回収によって改善が進んでおり、新規投資はエリアと分野を特定しながら検討・実行してまいります。これらの結果、来期は連結売上高6,600億円、連結営業利益220億円、連結経常利益160億円、親会社株主に帰属する当期純利益80億円を見込んでいます。

株主還元については、増収増益により財務体質の改善が見込めることから2021年度は1株40円の復配を計画しています。激変する時代ではありますが、今後も長期経営ビジョンと中期経営計画の達成を目標に企業価値向上に努めていく所存でございます。今後とも一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

財務目標

2020年度 実績

連結売上高
5,698億円
連結営業利益
111億円
連結経常利益
60億円
親会社株主に帰属する
当期純利益
△33億円

2021年度 計画

連結売上高
6,600億円
連結営業利益
220億円
連結経常利益
160億円
親会社株主に帰属する
当期純利益
80億円

2023年度 目標

売上高
7,000億円
営業利益
300億円
売上高営業利益率
4.2%
経常利益
250億円
D/Eレシオ1
1.2倍以下
ROE
7.5%
ROIC2
6.0%

2030年度 目標

売上高
8,000億円以上
売上高営業利益率
6%以上
ROE
10%以上
ROIC(税引前営業利益を基に算出)
10%以上
  • ※1 劣後ローンの資本性考慮後
  • ※2 税引前営業利益を基に算出

非財務(ESG)目標

6つのマテリアリティ 評価指標 2023年度目標 2030年度目標
気候変動への対応 サプライチェーン全体でのCO2排出量の削減量
(2019年度BAU※1比)
- 22%削減
製品の品質と責任 重大品質不具合件数 1件以下 ゼロ
客先クレーム件数 前年比10%減 2020年度比半減
労働安全衛生 重篤災害発生件数 ゼロ ゼロの継続
総合度数率※2 4.00 2.45
人権への配慮 人権DD実施、結果を踏まえた目標づくりとアクションプラン実行 4製造所で実施 グループの国内外の主要事業所
行動規範、人権、ハラスメント関連の研修実施率 96%※3 100%
多様性と機会均等 管理職に占める女性比率(役員含む、国内) 4% 15%以上
人材育成 後継候補者計画の実施率 国内グループ会社に展開 100%実施
重点分野に関する教育支援活動の受益者数 300人/年 500人/年
  • ※1 BAU(Business as usual): 何も対策を講じずに現状(生産量、品種構成)を維持した状態
  • ※2 総合度数率: 統計期間中の延べ労働時間あたりの労働災害による死傷者数(不休業を含む)を100万時間で換算した労働災害の発生状況(頻度)を評価する指標
  • ※3 ハラスメント研修は実施率100%継続