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旺盛な需要に応え、
“軽やかな世界”の実現に
全力で取り組んでいきます。

代表取締役社長兼社長執行役員
石原 美幸

はじめに

新型コロナウイルス感染症に罹患された皆様に心よりお見舞い申し上げます。また、不幸にも亡くなられた方々に深い哀悼の意をささげます。同時に、最前線で日夜対応に当たられている医療従事者、保健機関の皆様、そして社会インフラを支えておられる皆様に、深く感謝申し上げます。

上半期を振り返って

当期における世界経済の状況は、新型コロナウイルス感染症の拡大による落ち込みから回復しつつあるものの、米国においては感染再拡大により雇用の回復が鈍化し、経済活動にも影響が及んでいます。また、中国では新型コロナウイルス感染の封じ込めによる活動制限強化、過剰投資抑制により経済活動が鈍化しました。さらに、国内においても、度重なる緊急事態宣言の発令で個人消費が伸び悩んでいます。

今後、国内外とも活動制限が緩和されることで経済回復が期待される一方で、半導体などの供給制約により自動車や電機分野を中心に生産活動への影響が長期化すれば回復が遅れる懸念もあり、不透明な状況となっています。

このような環境のもと、世の中の生活になくてはならないアルミニウム圧延品業界において、板類の国内需要は缶材で微増、自動車関連分野では新型コロナウイルス感染拡大の影響で減少が顕著だった前年同期に比べて大幅な増加となりました。また、建築分野や箔用、厚板類でも増加し、板類全体としては前年同期比で増加となりました。押出類に関しては、自動車、自動車用熱交換器、二輪の分野において前年同期比で増加し、全体としても前年同期比で増加しました。

完成させていた世界3極の板事業生産体制を活かして市場動向に着実に応えたことによって、当社グループの国内向け販売数量は、板類では前年同期比で増加となりました。特に自動車関連分野を中心に前年同期比で増加し、その他建設関連や半導体製造装置関連、押出類でも前年同期比で増加しました。一方、当社グループの海外向け販売数量は、Tri-Arrows Aluminum Inc.やUACJ (Thailand) Co., Ltd.などの缶材の販売が好調だったことから前年同期を上回りました。その結果、2021年度上半期の当社業績は、売上高が3,650億円(前年同期比38.0%増)、営業利益が299億円(前年同期は11億円の損失)、経常利益が258億円(前年同期は26億円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益が173億円(前年同期は51億円の損失)となりました。

アルミ板の品種別売上数量(千トン)

品種 2020年度上半期 2021年度上半期 増減
缶材 359 409 50
箔地 26 29 3
IT材 13 7 △5
自動車材 50 73 23
厚板 19 25 6
その他一般材 71 107 36
合計 537 650 113
国内市場向け 215 国内市場向け 245 30
海外市場向け 322 海外市場向け 405 83
  • ※ 内部取引控除後の数量

なお、各事業の状況を見ていくと、当期のアルミ圧延品事業の売上高は、アルミ地金価格の上昇や販売数量の回復などにより、3,269億円(前年同期比46.8%増)となり、営業利益は、アルミ地金価格の上昇による棚卸資産影響の好転や販売数量の回復などにより、326億円(前年同期は20億円の利益)となりました。

加工品・関連事業においては、自動車関連分野、空調関連分野を中心に新型コロナウイルス感染拡大の影響からの好転が見られました。売上高は2021年度第1四半期から新収益認識基準を適用したことで765億円(前年同期比1.8%減)に、営業利益は2億円(前年同期は10億円の損失)となりました。

なお、懸案の財務体質については、販売回復や地金価格の高騰によって運転資金が増加したことなどで有利子負債が一時的に増加していましたが、利益の積み増し、投資の厳選、経費削減に取り組み、現預金水準を2020年度末並みに維持するとともに、有利子負債を88億円圧縮し、フリー・キャッシュ・フローは黒字となっています。

連結経常損益分析

※販売関係差:国内販売数量の増加および、品種構成の好転にともなう損益差

今後の見通し

当社は、長期ビジョン「UACJ VISION 2030」の実現に向けて、2021年度を初年度とする第3次中期経営計画をスタートさせました。この計画は、構造改革を完遂し、その先の成長とUACJ VISION 2030の実現に向けた基盤を確立することを目的としたものです。計画を着実に実行し、持続的な成長に向けた足がかりとする考えです。

構造改革については、新型コロナウイルス感染拡大の影響で国内収益改革の効果の発現に遅れが出ていましたが、製造コストの低減、ロールマージンの改定などの追加施策を柔軟に実施し、2022年度には当初計画値を達成する見込みです。

第3次中期経営計画の位置づけ

2021年度の通期業績は、アルミ地金価格の上昇による棚卸資産影響の好転、北米を中心とした販売数量の増加、想定していたコロナリスクの抑制傾向によって、2021年8月に上方修正した業績見通しをさらに上回る、売上高7,500億円、営業利益500億円、経常利益400億円、親会社株主に帰属する純利益200億円を見込んでいます。こうしたことを踏まえ、2020年度は誠に遺憾ながら無配としていた配当を復配とし、本年度の期末配当は85円を予定しています。

株主還元の推移

※2021年度は9月30日の終値。それ以外は各年度の年度末の終値

私は、UACJ VISION 2030の先にある10年後の世界では、アルミニウムが使われるシーンが一層広がっているのではないかと考えています。例えば、自動車のEV化が進めば、車体の軽量化や熱マネジメントのためにアルミニウム材料の採用が加速するなど、さまざまなアルミニウム製品の需要が拡大すると予測されます。また、世界的な資源リサイクルの推進により、アルミニウムが使われる世界の創出・拡大が加速していくと考えられます。当社はアルミニウムに“+α”の価値を生み出し、“お客様から選ばれる素材”にすることで、この需要に応えていきます。加えて、アルミニウムを通じたサーキュラーエコノミーの実現において、中心的な「心臓の役割」を担っていきます。

そして、今後もグループの持続的な成長を実現し、「軽やかな世界の実現への貢献」を果たしてまいりますので、ステークホルダーの皆様には引き続きご理解・ご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

第3次中期経営計画(2021~2023年度)の目標

財務目標

財務指標 目標値
売上高 7,000億円
営業利益 300億円
売上高営業利益率 4.2%
経常利益 250億円
D/Eレシオ※1 1.2倍以下
ROE 7.5%
ROIC※2 6.0%
  • ※1 劣後ローンの資本性考慮後
  • ※2 税引前営業利益を基に算出

非財務指標

6つのマテリアリティ 評価指標 目標値
気候変動への対応 サプライチェーン全体でのCO2排出の削減量(2019年度BAU※1比) 22%削減(2030年度目標)
製品の品質と責任 重大品質不具合件数 1件以下
客先クレーム件数 前年比10%減
労働安全衛生 重篤災害発生件数 ゼロ
総合度数率※2 4.00
人権への配慮 人権DD※3実施、結果を踏まえた目標づくりとアクションプラン実行 4製造所で実施
行動規範、人権、ハラスメント関連の研修実施率 96%(ハラスメント防止研修は実施率100%を継続)
多様性と機会均等 管理職に占める女性比率(役員含む、国内) 4%
人材育成 後継候補者計画の実施 国内グループ会社に展開
重点分野に関する教育支援活動の受益者数 300人/年
  • ※1 BAU(Business as usual):何も対策を講じずに現状(生産量、品種構成)を維持した状態
  • ※2 労働災害による死傷者発生頻度を評価する指標
  • ※3 自社が与えうる人権への悪影響を防止・軽減するための継続的な取り組み