人材育成·公正な処遇

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人材育成への取り組み

基本的な考え方

UACJグループでは、変化する事業環境に対応しながら、UACJウェイをベースに、主体的な意思決定や問題解決を主導できる⼈材の育成が、将来のグループの発展に不可欠なものと位置づけ、従業員一人ひとりが成長を実感し、働きがいを感じることを目指して人材育成に取り組んでいます。
具体的には、「従業員一人ひとりの学びによる成長」、「仕事を通して部下を育てる」、「組織で人を育てる」の3つを基本的な考え方とし、「階層別研修」、「ものづくり学園」、「U-KI活動」、「セミナー実施」、「自己啓発プログラム」等の活動の他、「次世代ビジネスリーダー」や「DX人材」等の育成を推進しています。

人材開発プログラム

UACJグループでは、名古屋製造所構内にある研修施設「人材開発センター」を中心に、階層別研修やセミナーなど各種プログラムを開催しています。また、オンラインの活用も進め、遠隔地の受講者等が参加しやすい環境も提供しています。
2023年度に実施した従業員研修は92件、延べ192日、延べ受講者数1,530人でした。

従業員1人あたりの実績(2023年度)

  • 平均受講時間 約3.3時間
  • 平均研修費用 約1.6万円

階層別研修

階層別研修は、階層ごとに期待される役割、意識向上、業務遂行に必要な能力、知識の習得、会社の方針や制度への理解を深めることを主な目的として実施しています。
スタッフ系社員に対しては、入社から3年間継続して研修を実施しています。入社4年目以降は、R2(シニアスタッフ)研修、R1(マネジメント)研修、新任管理職向け、組織長や部長職の研修など、部長クラスまでを対象に各階層で継続的に研修を実施しています。また、将来の経営を担う人材の育成を目的とするビジネスリーダー育成プログラムも実施しています。
技能系社員に対しては、入社時および3年目、5年目に研修を実施しています。入社6年目以降は各階層に応じて必要な研修を実施しています。

階層別研修の図

2023年度階層別研修延べ受講者数

(名)

  UACJ グループ会社
管理職 150 124 274
スタッフ系 313 179 492
技能系 271 192 463
734 495 1,229

個々のスキルアップや知識習得を目的としたセミナー

UACJグループでは、階層別研修とは別に、個人のスキルアップや専門的な知識、各職場で必要となる知識習得を主な目的としたセミナーを実施しています。
具体的には、中堅社員向けインストラクター養成、新入社員向けOJT(On the Job Training)指導、QC(品質管理)、なぜなぜ解析※、自主保全、パワーポイントなどのセミナーを各主要拠点で開催しました。また、ビジネススキルの向上をめざした「アカウンティング、ファイナンスセミナー」を実施しました。

※なぜなぜ解析: 問題発生の根本的な要因を突き詰めていく問題解決手法

自己啓発支援

従業員個人と職場のニーズに対応するための自己啓発支援として、通信教育や各種公的資格取得支援、語学教育支援等を行っています。また、社内研修やセミナー以外のスキルアップ支援として、社外への派遣を通じた人材育成にも力を入れています。2023年度は自己啓発、人材育成の一環として、1名を大学院に派遣しています。

海外で活躍する人材の育成

1年間の海外語学研修とその後の1.5年間の海外実務研修からなる海外研修制度を導入しています。
2021年度までに計9名が本制度を活用しており、今後も中長期的な視点で海外で活躍する人材の育成を目指していきます。

人材開発センターの写真
人材開発センター

「現場力」の向上(技能伝承への取り組み)

製品の品質を維持し、継続的に生産性を向上させていくためには、長年培ってきたものづくりの精神、技能、ノウハウを次世代へと継承していく取り組みが欠かせません。
UACJグループでは、ベテラン技能者の大量定年に備えて2004年に名古屋製造所に「製板技塾」を開設し、ベテラン従業員の技能や勘、コツといったノウハウを継続的に伝承していく取り組みを実施してきました。また、同様の目的で名古屋製造所に「保全道場」、押出部門の名古屋製作所に「押出技塾」を開設し、2017年度には福井製造所に「三国板技塾」を開設しました。保全道場は2021年、福井、深谷製造所にも開設しました。
さらに、技能伝承の体系的な運営を目的として「ものづくり学園」を2019年からスタートさせ、現在各事業ごとに活動しています。
一方で、定年退職した技術系従業員の再雇用にも積極的に取り組み、若手技術者への技能伝承にこうした再雇用者の力を積極的に活用しています。

「スタッフ力」の向上

UACJグループは、主にスタッフ(非製造部門)に対し、「より良い成果と人・組織の成長を、同時に実現し続ける元気なチームをつくる」事を目的に2020年度からU-KI(UACJ Knowlege Intensive Staff Innovation)活動に取り組んでいます。
本音のコミュニケーションを入口に、知恵と力を合わせる全員野球の職場風土を醸成する方法で、インパクト・メソッドの手法を取り入れています。U-KI手法は階層別研修にも導入し、海外も含めたグループ会社にも積極的に展開しています。

2023年度末までに、以下の通り支援を実施しています。

  • 取り組み拠点数  9拠点
  • 取り組み部署  59部署
  • 取り組みチーム  83チーム
  • 参加人員  1,411名

U-KI(UACJ Knowledge Intensive Staff Innovation)は、「より良い成果と人・組織の成長を同時に実現し続ける元気なチームをつくる」事を目的とし、本音のコミュニケーションを入口に、知恵と力を合わせる全員野球の職場風土を醸成する方法です。インパクト・メソッドの手法を取り入れています。また、U-KI手法を階層別研修に導入し、展開を開始しました。

コミュニケーション面談の実施

毎年1回、すべての従業員を対象として、本人およびその上司が個々人の業績評価やキャリア形成等について話し合う「コミュニケーション面談」を実施しています。従業員が自ら個人の業績、スキル、今後の希望等を申告するとともに、業務成果や自己の成長について本人の認識と上司の評価を付け合せ、今後の成長ならびに成果を出すために取り組んでいくべき課題や目標について率直な話し合いを行っています。

従業員に対する処遇

UACJグループは、従業員に対して適正な処遇を実施しており、性別による基本給与の差はありません。
非正規社員(パート、アルバイト、契約社員)への処遇については、生命保険、医療費、障がいおよび病気保証、育児休暇、退職金、持株会制度等の正社員に適用される各種制度のうち、生命保険、医療費、育児休暇、持株会制度については嘱託社員も適用の対象となっています。

タレントマネジメントの実践

当社は、長期経営ビジョン「UACJ VISION 2030」の実現を支える基盤として、「人材」「技術」「企業風土」を重要なテーマに掲げています。とりわけ、次世代を担う人材の育成と各人の能力を部門や拠点にとらわれることなくグループ全体で活用する戦略的な人員配置の実現は、ビジョン達成に向けて不可欠な施策と捉えています。
こうした考えのもと、2021年度より、各事業部門、コーポレート部門の中長期的な成長戦略とその戦略実現に必要な人材要件の議論を重ね、より具体的に経営戦略に合致した人材を定義づけるとともに、その定義に基づいた実効性の高い人材育成計画と、将来を見据えた後継者育成計画に着手しました。
戦略的な人員配置に向けては、スキルや経験値を一元管理してグローバルな適正配置や人材育成に活かしていくタレントマネジメントシステムの構築・導入を進め、試験運用を開始しました。経営戦略に合致した人材の定義づけ、およびマネジメントシステムの運用開始により、現在不足している、あるいは将来必要になる人材要件(タレント)を可視化することができました。
変化の激しい事業環境においても、グループの一体感を醸成しながら経営効率を高め、シナジーを最大限に発揮していくために、経営戦略と人材戦略の連携強化を今後一層進めていきます。

労使関係

労働組合とは良好な関係を維持しており、中央および各所の労使協議会の場を通じて、経営状況や安全衛生(健康経営含む)等に関する定期的なコミュニケ-ションを図っています。また、2016年4月より従業員のワークライフバランスの実現を労使共同で推進していくために中央および各所に労使時短検討委員会を立ち上げ、年間総実労働時間の短縮に向けた意見交換を行っています。その他、必要に応じ、特定のテーマについても労使検討委員会を適宜設置して労使で議論を行っています。加えて、異動や転籍など、対象となる従業員に大きな影響のある人事施策については、可能な限り早いタイミングで、労働組合および対象社員とのコミュニケーションを実施しています。

従業員基礎データ

UACJの従業員データ

  2022年度 2023年度
従業員数(人) 2,977 (191) 2,993 (200)
男性 2,700 (172) 2,694 (180)
男性比率 90.7%   90.0%  
女性 277 (19) 299 (20)
女性比率 9.3%   10.0%  
平均年齢(歳) 40.7   41.0  
30歳未満 19.4%   19.0%  
30~50歳 55.7%   55.0%  
50歳超 24.9%   26.0%  
平均勤続年数(年) 16.3年   16.3年  
新規雇用者数(出向除き)(人) 197   190  
男性 174   155  
男性比率 88.3%   81.6%  
女性 23   35  
女性比率 11.7%   18.4%  
離職者数(人) 162   181  
男性 152   164  
男性比率 93.8%   90.6%  
女性 10   17  
女性比率 6.2%   9.4%  
離職率 5.4%   6.0%  
うち、自己都合 3.1%   3.7%  
  • ※カッコ内は臨時雇用者数(外数)
  • ※各年度3月末時点

UACJグループの従業員データ(連結)

  2022年度 2023年度

グループ従業員数(連結)(名)

9,510 (719) 10,460 (807)
男性 8,113 (606) 8,697

(660)

男性比率 85.3%   83.1%  
女性 1,397 (113) 1,763 (147)
女性比率 14.7%   16.9%  
地域別
日本 5,707 (533) 6,106 (678)
アジア 2,014 (17) 2,360 (59)
北米・南米 1,673 (169) 1,870 (69)
欧州ほか 116 (0) 124 (1)

※カッコ内は臨時雇用者数(外数)