人材戦略

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基本的な考え方

当社は「100年後の軽やかな世界」を実現するため「誰もが幸せを感じられる 健やかで調和のとれた社会へ」というWell-beingに向けたありたい姿を策定しており、一人ひとりが心身ともに充実して幸せを感じられるような良い状態である「Well」が、家族や周りの人々、地域や社会の「Well」につながり、その「Well」がまた一人ひとりに返ってくる「WellのWAVE(波)」を「Well-being」と捉えています。人的資本経営の実現プロセスの前提としてもこの考えを基本とし、Wellbeingと企業価値との関係を「働く」→「幸せ」→「経済価値・企業価値」と整理しています。
新たに策定した人的資本経営の全体像で示した施策の実施に向けては、人材戦略部が中心となり、関係部署と連携して「働く一人ひとりのWell-beingの向上」と「人材力・組織力の向上」の観点から施策を検討し、ロードマップや所管部署を定め、次年度以降からの実施を目指します。同時に、当社グループの人的資本についての考え方の浸透に向けては、既存の理念対話会等を活用した浸透活動を実施する方針です。

UACJピープルステートメント

新たに策定した当社グループの人的資本についての考え方「UACJピープルステートメント」と、人材戦略を体系化した「人的資本経営の全体像」では、従来の人材戦略の視点に加えて、当社グループで働く一人ひとりのWell-beingを重視しています。人材戦略の3本の柱である「組織づくり」、「人づくり」、「働く環境づくり」の施策のなかで、従業員の「Well」とは何か、その「Well」の向上に繋がる施策は何かを整理することで、働く一人ひとりの「Well」と人材力・組織力の向上の好循環を実現していく、その活動全体を当社グループでは人的資本経営と捉えています。この考え方に基づいた人的資本経営を推進することが、当社グループの企業理念の実現には不可欠と考えています。

経営戦略との連携

当社グループは、2024年4月よりスタートした第4次中期経営計画において、素材提供企業から「素材+α」の付加価値提供企業への変革を目指しています。新たな価値創出と安定した事業運営を支える強固な人的基盤の構築のためには、多様な人材の獲得・育成により「人材力の向上」を図るとともに、従業員エンゲージメントを高め、「組織力の向上」を実現していくことが必要です。

「人材力・組織力の向上」を目標に、「組織づくり」、「人づくり」、「働く環境づくり」という3つの人材戦略に基づき、リーダーの育成・拡充、DE&(I デ・ア・イ)推進、人材獲得・リテンション、人材育成、報酬/福利厚生制度整備、健康経営推進等の様々な施策に取り組んでいく方針です。 特に「人材力の向上」については、現在、各部門で長期経営ビジョン「UACJ VISION 2030」の実現に向けて、あるべき人材ポートフォリオと現状のギャップの可視化を進めており、2026年度から実行予定の人材戦略によってギャップを埋めていくことを目指しています。

経営戦略と人材戦略の連携

人的資本による財務影響の可視化

企業価値をいかに上げていくのか。当社は、6つの資本の活用による企業価値向上を「価値創造プロセス」で整理しました。人的資本への取り組みはその重要なファクターの1つであり、従業員の意識やさまざまな人事施策が、より高い財務パフォーマンス、企業価値向上に大きな影響をもたらすと考えています。

このような考えを背景として、当社は人的資本と財務パフォーマンス・企業価値向上の関連性を整理し、さらなる企業価値向上への施策立案やどのように活かしたら良いのかなどの試みを始めております。人事諸施策やダイバーシティの推進、健康経営の実践などの人的資本施策と、財務指標との相関関係を分析し、企業価値向上への人材戦略を策定する上で参考にすべきと考えています。現在、当社は従業員を対象にエンゲージメント調査を継続的に実施し、調査結果を事業運営・組織運営に活用しています。この結果を各部署に展開し、従業員の意識の変化を把握することで、人事諸施策による効果や、現状の課題を確認しています。これをさらに進化させ、人的資本と事業利益・資本効率向上の関連性から、人材戦略の立案・実施による人的資本の充実はどのような効果があったのか、どのようなことをすれば事業利益が増加し、資本効率が向上するのか、という観点から分析を試みています。人的資本と企業価値の繋がりを検証することで、将来的にROICを向上させ、最終的にはPBR向上に資する人的資本施策を追究していきたいと考えております。

2024度までは、既に実施しているエンゲージメント調査結果を、国内主要製造拠点・職種別にいくつかのキーワードで分析を実施しました。その結果も参考に、人的資本活用と企業価値創出展開図の整理を進めております。2026年度末には関連性整理を完了し、次期中期経営計画策定の議論に活用する予定です。

人的資本による企業価値向上や財務数値への効果を整理することで、当社の人材が有する力を最大限に発揮できる、より効果的な人材戦略の立案・実施に役立てます。このプロジェクトを進めることは企業価値向上には大変重要であり、有効的であると考えています。

「人的資本による財務インパクトの可視化」に向けた概要

人的資本KPI

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