UACJの鋳造技術
UACJの高度な鋳造技術は、耐久性に加えて高い寸法精度を要求されるターボチャージャーのコンプレッサーホイール(インペラー)などの鋳物を生み出しており、世界的にも高い評価を得ています。UACJの鋳造技術を貴社の製品開発や品質向上、コストダウンなどにぜひお役立てください。
製造方法
弾性模型を使用した、一体石膏鋳型による精密低圧鋳造法であるPPC(Precision Pressure Casting )法を採用しています。
特長
薄肉・高精度・平滑・高強度なアルミニウム鋳物を実現します。少ロット生産から大量生産まで柔軟に対応します。
薄肉な形にも対応
- アンダーカットのある形状、三次元曲面のある形状でも、一体鋳型の造型、鋳物の作成が可能です。
- 最小肉厚1.5mm程度です。回転翼先端など、局部的には0.35mmまで製造可能です。
- 肉厚の部分的な変動にも対応できます。
- 中子、インサートの鋳ぐるみなどが必要な形状には対応しておりません。
高い寸法精度
一体石膏鋳型により、高精度のニアネットシェイプの鋳物製造が可能です。
おおむねCT6程度ですが、個別対応も可能ですので、お問い合わせください。
平滑な表面
石膏鋳型特有の平滑な鋳肌により、18S以内(局部的には12S以内)の表面粗度が得られます。
高い健全性・高強度
- 低圧鋳造法とチルプレートの適切な組み合わせにより、健全な鋳物を製造できます。
- 熱処理(T4、T5、T6、T7など)の施工が可能で、強度の制御ができます。
製造可能範囲
- 寸法:100×100×150mm程度(応ご相談)
- ご発注数量:10個/ロット程度から、10万個/月を超えるご発注まで対応可能
- 合金:Al-Si系(AC4C(356)、AC4CH(A356)、AC4D(C355) 354など)、Al-Cu系
他製法との比較
PPC法 | 砂型 | 金型 | ダイカスト | ロストワックス | 冷間鍛造 | |
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寸法公差(型割面を含まず) | CT6 | CT8 | CT7 | CT5 | CT6相当 | IT7-11 |
表面粗さ | 18S以内 | 40-100S | 10-80S | 12S以内 | 6-20S | 10S以内 |
肉厚 | 0.35t以上 | 3t以上 | 4t以上 | 1-7t | 1t以上 | 0.2t以上 |
参照:公益財団法人 日本鋳造工学会関東支部ホームページ、一般社団法人 日本ダイカスト協会ホームページ、日刊工業新聞ホームページ、UACJ社内資料
適用例
自動車・建設機械・船舶などのターボチャージャー・スーパーチャージャーの圧縮用ホイール(Compressor Wheels,CW)に、世界で年間1,000万個以上採用されています。
肉厚0.35mm程度の回転翼が音速を超える周速で使用されています。
高速回転体に適用例の多い製法です。
その他
弾性模型製作のための金型が必要ですが、金型自体は溶融金属や砂などの侵食・磨耗材料に触れることがないので、比較的低コストで命数はありません。