中期経営計画
UACJは、2021年度~2023年度を対象とする「第3次中期経営計画」を策定しました。前中期経営計画の期中から推進している構造改革を完遂し、長期経営ビジョン「UACJ VISION 2030」の実現に向けた基盤の確立を目指しています。
位置づけ・重点方針
本計画は、長期経営ビジョン「UACJ VISION 2030」を実現するための基盤強化と位置付けており、「構造改革の完遂」「成長への基盤の強化」「軽やかな世界の実現への貢献(サステナビリティ推進)」の3つを重点方針に掲げています。
特に基盤強化においては、2019年度に着手した構造改革の完遂が重要であり、計画している施策をこれまで通りやりきるとともに、構造改革効果を着実に積み上げていきます。
また、成長への基盤の強化として、成長市場(北米・東南アジア)、成長分野(缶・自動車)に引き続き注力するとともに、“素材+α”の価値提供や新領域の創出、人や技術などの支える基盤の強化に取り組んでいきます。
さらに、マテリアリティの一つとして特定した気候変動問題への対応として、アルミニウムのリサイクルシステムをサプライチェーン全体で共創していきます。
第3次中期経営計画の位置づけ
構造改革を完遂し、その先の成長と「UACJ VISION 2030」の実現に向けた基盤を確立

財務・非財務目標
北米を中心に缶材需要が大変旺盛であり、TAA※1やUATH※2で増強してきた生産能力を最大限に活用することなどで、売上高目標を達成する計画です。また、利益については構造改革効果を発現することなどで目標値を目指します。
なお、ROEとROICについては必ずしも満足できる水準ではないと考えていますが、第3次中期経営計画はあくまでも基盤強化に主眼を置き、第4次中期経営計画において、さらなる資本効率の改善を目指していきます。
そして、当社では初めて中期経営計画の中に非財務目標を掲げました。いずれも特定した6つのマテリアリティに紐づき、基盤強化に欠かせないものとして目標達成に向けて取り組んでいきます。
- ※1 Tri-Arrows Aluminum Inc.
- ※2 UACJ (Thailand) Co., Ltd.
財務目標
2023年度 | |
---|---|
売上高 | 7,000億円 |
営業利益 | 300億円 |
売上高営業利益率 | 4.2% |
経常利益 | 250億円 |
D/Eレシオ※1 | 1.2倍以下 |
ROIC※2 | 6.0% |
非財務(ESG)目標
6つのマテリアリティ | 評価指標 | 2023年度目標 |
---|---|---|
気候変動への対応 | CO2排出量の削減量(2019年度比・原単位) | カーボンニュートラル挑戦宣言で目標を設定※3 |
製品の品質と責任 | 重大品質不具合件数 | 1件以下 |
客先クレーム件数 | 前年比20%減 | |
労働安全衛生 | 重篤災害発生件数 | ゼロ |
総合度数率※4 | 0.25 | |
人権への配慮 | 人権デューディリジェンス実施と、結果を踏まえた目標づくり、アクションプラン実行 | 4製造所で実施 |
行動規範、人権、ハラスメント関連の教育実施率 | 96%(ハラスメント防止研修は実施率100%継続) | |
多様性と機会均等 | 管理職に占める女性比率(役員含む、国内) | 4.0% |
人材育成 | 後継候補者計画の実施率 | 国内グループ会社に展開 |
重点分野に関する教育支援活動の受益者数 | 800人/年 |
- ※1 劣後ローンの資本性考慮後
- ※2 ROIC=税引前営業利益÷(株主資本+有利子負債-現預金)(期首・期末平均)
- ※3 Scope1,2が対象。カーボンニュートラル挑戦宣言により、見直し
- ※4 統計期間中の延べ労働時間当たりの労働災害による死傷者数(不休業を含む)を100万時間で換算した労働災害の発生状況(頻度)を評価する指標
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環境意識向上にともなって北米におけるアルミニウム缶需要が増加
リサイクル性に優れたアルミニウム缶は、近年、環境配慮型の飲料容器として消費者から高く評価され、世界規模で缶材の需要拡大が続いています。特に、北米では、環境保護に熱心な消費者が年々、持続可能性の観点から商品を選ぶようになってきています。このような消費者は、アルミニウムが軽量なうえにリサイクル性にも優れた低環境負荷素材であることを理解しています。また、現代の若者は環境に関する知識が豊富で、アルミニウム缶に入った飲料を好む傾向にあります。
消費者意識の変化を踏まえ、新たに発売される飲料製品にアルミニウム缶を採用する傾向がますます拡大しており、アルコール飲料から栄養ドリンクやフレーバーウォーターに至るまで、市場ではアルミニウム缶の安定した増加傾向が明確化しています。
UACJでは、3か国にまたがる供給ネットワークを活かし、旺盛な需要を最大限に補足していきます。
米国の飲料容器向けアルミニウムの売上高(10億ドル〈Billion Units〉)


進捗
中期経営計画の進捗は「UACJレポート」で紹介しています。