製品における環境配慮

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基本的な考え方

UACJグループでは、低炭素社会と循環型社会の実現に向けて、アルミニウム素材の機能向上に取り組んでいます。
たとえば、「ALmitas⁺ SMART」など環境負荷を低減したアルミニウム製品提供や、市場から回収されるさまざまなアルミスクラップ等の再生原料を最適な条件で活用するなど、サーキュラーエコノミーの心臓部としての働きを実現し、地球環境が抱える課題の解決に貢献していきます。

製品の開発・改良・スキーム構築 環境・社会への貢献
リサイクル性に優れた缶材料の開発と実用化の推進 水平リサイクル推進による資源循環促進・温室効果ガス低減
鋳物製ピンフィン、各種押出管などによる熱マネジメント製品に関する開発と実用化の推進 熱交換性能向上による機器の小型化、軽量化による省資源化・温室効果ガス低減
外板、構造部材、バッテリー類(筐体、ケース、電池箔)などの各種次世代自動車向けアルミニウム材料の開発・改良 車体重量軽量化による省資源化・燃費改善と温室効果ガス低減
ALmitas⁺ SMARTマスバランスのスキーム構築による低温室効果ガス製品の供給 低温室効果ガス製品の供給による環境負荷低減
再生原料使用量拡大による資源循環促進

また、国内で消費されるアルミ缶(2022年度215億缶、約33万トン アルミ缶リサイクル協会より(2022年度見込み)用材料の約半分はUACJの製品です。トップメーカーの責任として、アルミ缶スクラップのリサイクルも積極的に進めています。
さらに、製品などの納入時の梱包の簡素化・合理化や、梱包資材やラックの回収・リユースを物流工程の合理化と合わせて実施しています。

製品含有化学物質の管理

UACJグループでは、製品に含有する化学物質について、適切な管理を徹底しています。国内環境関連法(安衛法、化管法など)および海外環境関連法(EU指令REACH規則※1など)の改正を確認し、必要な対応をとっています。

  • ※1 REACH規則:Regulation, Evaluation, Autorisation and Restriction of Chemicals 化学物質の登録、評価、認可および制限に関する規則

製品含有化学物質情報の把握と伝達

UACJグループでは、供給する製品に含有する化学物質について、原材料や副資材の調達先から情報を得て把握しています。さらに、その情報をお客様に確実に伝達できるよう管理体制を整えています。
化学物質に関する情報は、品質部門と環境部門とが協力し、お客様からの要請に応じて、さまざまな業界共通フォーマットによって情報を提供しています。
また、REACH規則に定められたSVHC(高懸念物質)などの不使用証明書、非含有保証書も発行しています。

[提供フォーマットの例]

  • SDS(安全データシート)※2
  • IMDS ※3
  • chemSHERPA ※4

  • ※2 SDS:Safety Data Sheet:製品の危険有害性情報等に関する情報を記載した文書、GHS(化学品の分類及び表示に関する世界調和システム)に対応した内容で提供
  • ※3 IMDS:International Material Data System:自動車産業界向けのマテリアルデータシステム
  • ※4 chemSHERPA:サプライチェーン全体で利用可能な製品含有化学物質の情報伝達共通スキーム

お客様による環境品質管理体制の認定

UACJグループは、特定のサプライヤー認定が必要な事業場においてお客様の要求水準を満たす化学物質管理を徹底し、お客様から環境品質管理体制の認定を受けています。
今後も、お客様からのご要求に適切に対応できるよう管理に努めていきます。

環境負荷低減に貢献するスキームの構築

クローズドループリサイクルによる環境負荷低減

自動車メーカーでは、規制強化に対応するためエンジン性能の向上と車体の軽量化に取り組んでおり、この軽量化に一役買っているのがアルミニウムです。
アルミニウムの比重は、鉄のおよそ3分の1と軽量でありながら高い強度を持ち、耐食性やリサイクル性にも優れています。自動車1台あたりのアルミ使用量は世界的にも増加傾向で、北米では年率3%程度の増加の継続が見込まれるなど、今後もEVをはじめさまざまな自動車に採用されることが期待されています。

UACJグループは、自動車のクローズドループリサイクルへも貢献しています。
クローズドループ・リサイクルとは、製造時に発生した端材や、回収した使用済みの自社製品などを再生することで、品質を維持しながら繰り返し再生することができるリサイクルの仕組みです。
アルミニウム製造工程におけるCO2発生量の約90%は、アルミニウムの新地金製錬工程によって発生します。
また、プレス端材を再利用する際のCO2発生量は、新地金製錬工程でのCO2発生量と比較して大幅に減少します。
クローズドループ・リサイクルでは、車両製造時に発生するスクラップの全量を当社が引き取り再利用することで、アルミニウム新地金使用量が削減されます。このリサイクルプロセスの実現により、CO2の発生を抑制することができます。

日本、米国、欧州の燃費基準のグラフ

自動車1台あたりのアルミニウム使用量(北米)

自動車1台あたりのアルミニウム使用量(北米)のグラフ

マスバランス方式による環境負荷低減の選択肢提供

日本においても、猛暑日や自然災害の増加などを目の当たりにし、地球温暖化の影響を肌で感じられるようになるなど、気候変動対策はあらゆる企業や組織が取り組むべき喫緊の課題となっています。温暖化の原因となるCO2の排出量は増加の一途をたどり、30年前と比較して約60%も増えていると言われています。こうした事態を受けて、2015年12月にパリで開催された「気候変動に関する国際連合枠組み条約第21回締約国会議(COP21)」で採択された「パリ協定」では、21世紀後半に温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることを目標とする「脱炭素化」が盛り込まれました。
また、2020年10月、日本政府は2050年までに脱炭素社会を実現し、温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることを目標とした「2050年カーボンニュートラル宣言」を発表しました。
これらを受けて、UACJは2021年から新たな環境配慮型製品ブランド「ALmitas⁺ SMART」を展開。
2023年4月からはグリーン電力由来のアルミ新地金やクローズドループで回収された端材などを第三者機関検証を受けたマスバランス方式で管理し、 温室効果ガス排出原単位を保証した「ALmitas⁺ SMART マスバランス」を追加することで、 環境性能を重視するお客様の選択肢を広げました。

「ALmitas⁺(読み:アルミタス)」

UACJグループが長年培ってきた技術をもとに、さまざまなパートナーと共創し、広がり続けるアルミニウムの可能性と魅力を伝えていくアルミ素材・製品ブランド。「素材の力を引き出す技術で、持続可能で豊かな社会の実現に貢献する。」という企業理念のもと、本ブランド展開を通じて、アルミニウムの価値を追究し続けるとともに、その価値を世の中に発信し、事業を通した社会課題解決を目指してまいります。

「ALmitas⁺」ブランドロゴ
「ALmitas⁺」ブランドロゴ
  • 注1: マスバランス方式:GHGプロトコルやISO22095規格などで定められている管理手法の一つ。さまざまな由来や性質を持つ原料・製品を混合して管理する手法。他の素材産業においても導入が進められている。
  • 注2: GHG(Green House Gas):温室効果ガス。CO2以外のメタンや一酸化二窒素、ハイドロフルオロカーボンなどのガスを含む。アルミニウムの新地金を得る精錬工程ではCO2以外のガスの排出を伴うため、IAI(International Aluminum Institute 国際アルミニウム連盟)などではGHG排出量で開示されている。
  • 注3: Cradle to Gate:LCA(Life Cycle Assessment)の計算において、原材料の採掘から製品出荷までの工程の全体をさす用語。
  • 注4: 運用の適切性について第三者機関(日本検査キューエイ株式会社)により検証(限定的保証)を受けた。