環境マネジメント
UACJグループ 環境基本方針
理念
UACJグループは、緑豊かな地球が、我々に活動の場を提供してくれていることに感謝すると共に、地球環境が全ての生命にとってかけがえのないものであることを認識し、この保全に取り組みます。また、現在および将来の事業活動のサプライチェーン全体について、環境への影響を評価し、その結果に基づいて具体的な目標値を定め、環境負荷の最小化と環境貢献の最大化を図るため、自主的かつ積極的に行動します。
行動指針
- 環境関連の法律、規制、協定などを遵守し、更に自主基準を制定して排水・排ガス・化学物質の適正管理を行います。
- 環境改善に貢献する製品の販売および技術開発を推進します。
- パリ協定の目標達成に貢献するため、温室効果ガス排出量削減と省エネルギーに努め、気候変動対策を推進します。(詳細は「気候変動対策に対する考え方」による)
- アルミニウム素材をはじめとする原料・副資材の再生利用を促進し、持続可能な循環経済の構築を推進します。
- 事業活動に不可欠な水資源の保全に努めます。
- 生態系からの恩恵を配慮し、生物多様性の保全に努めます。
- 教育広報活動などにより、環境に関する意識向上を図ります。
- ステークホルダーの環境保全活動への貢献と連携を図ります。
UACJグループ環境管理活動方針
スローガン:緑豊かな青い地球に感謝し、アルミニウムを究めて持続可能な社会形成に貢献しよう。
項目 | 2024年度 目標 | 2024年度 重点実施項目 |
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環境重大事故の撲滅 | 環境重大事故1件以下 |
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省エネルギー対策の推進 | エネルギー原単位をグループ全体で2023年度比1%削減(省エネ法努力目標) |
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産業廃棄物の削減 | 産業廃棄物原単位を2023年度比削減 |
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廃プラスチック排出抑制、再資源化促進の指標の設定 |
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化学物質の適正管理 | 管理化学物質を2023年度比削減 |
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水管理の推進 | 取水量を2023年度比削減 |
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環境マネジメント体制
当社は、2023年度にマテリアリティを再整理するとともに、サステナビリティに関連する各委員会の見直しを行いました。その結果、GHGや廃棄物の排出量削減など、主に企業の社会的責任として行ってきた「守り」の部分を担ってきた「環境委員会」と、脱炭素社会や循環型社会への積極的な貢献という「攻め」の部分を担ってきた「気候変動対策推進委員会」を統合。2024年度から新たに環境活動の推進と従業員の環境意識向上を図るグループ横断組織「環境委員会」を設置しました。
環境委員会は、環境活動における「守り」と「攻め」を一体的に捉え、年3回、執行役員、中核事業会社社長、事業本部長が出席し、サーキュラーエコノミー、気候変動、ネイチャーポジティブへの対応を含め、環境活動の実施状況の確認、次年度の環境活動に関する方針立案、目標の審議などを行います。また、環境委員会の下部組織である9つのワーキンググループ(WG)についても、各WGが複数のマテリアリティに関わることから、環境委員会が横断的な視点で統括することとしています。
環境活動の体制図

注: 本図内の略語は、以下を表しています。
- ・ WG:ワーキンググループ
- ・ CFP:カーボン フット プリント(Carbon Footprint of Product)
- ・ GHG:温室効果ガス(Greenhouse Gas)
- ・ PIR:ポストインダストリアルリサイクル(Post-Industrial Recycled(製造業での素材の加工段階で発生するスクラップ))
- ・ PCR:ポストコンシューマーリサイクル(Post-Consumer Recycled(使用済製品に由来するスクラップ))
- ・ TNFD:Taskforce on Nature-related Financial Disclosures(自然関連財務情報開示タスクフォース)
環境責任者会議
UACJの3製造所(名古屋、福井、深谷)および3製作所(名古屋、小山、鋳鍛)と押出・加工品、箔事業など各グループ会社の環境責任者が参加し、UACJグループの環境目標の達成状況の確認や法改正の内容などの情報交換を実施しています。
環境マネジメントシステム
UACJグループでは、環境マネジメントシステムの運用を各事業場で推進し、現在、ほとんどの事業場でISO14001の認証登録をしています。一部の小規模事業場では、環境省が策定したガイドラインによる「エコアクション21」の認証登録をしています。
2015年9月にISO14001の2015年版が発行されたことを受け、各事業場がそれぞれ2015年版への移行作業を進めていましたが、認証登録の移行期限である2018年7月時点で全事業場において移行を完了しました。
ISO14001:2015の認証取得状況(2024年6月30日現在)
事業場名 | 認証機関 | 認証番号 | 取得年月 |
---|---|---|---|
名古屋製造所 | 日本検査キューエイ(JICQA) | E440 | 2002.4 |
福井製造所 | デット・ノルスケ・ベリタス(DNV) | 00484-2002-AE-KOB-RvA | 2002.4 |
深谷製造所 | 日本規格協会 | JSAE545 | 2002.7 |
UACJ押出加工小山 | エイエスアール(ASR) | E2111 | 2002.9 |
UACJ押出加工名古屋(名古屋製造所・安城製作所) | 日本検査キューエイ(JICQA) | E440 | 2002.4 |
UACJ押出加工滋賀 | エイエスアール(ASR) | E2111 | 2002.9 |
UACJ押出加工群馬 | 日本検査キューエイ(JICQA) | E773 | 2004.1 |
UACJ製箔(伊勢崎工場・滋賀工場・野木製造所) | 日本検査キューエイ(JICQA) | E2442 | 2017.3 |
日金 | 日本検査キューエイ(JICQA) | E2442 | 2018.6 |
UACJ鋳鍛 | エイエスアール(ASR) | E2111 | 2002.9 |
UACJ金属加工(恵那工場) | 高圧ガス保安協会 | 04ER-420 | 2004.3 |
UACJ金属加工(滋賀工場) | 日本品質保証機構 | JQA-EM6018 | 2007.12 |
UACJ金属加工(郡山工場) | 日本検査キューエイ(JICQA) | E1711 | 2007.2 |
事業場名 | 認証機関 | 認証番号 | 取得年月 |
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UATH(板 タイ) | JQA (JAPAN QUALITY ASSURANCE ORGANIZATION) | JQA-EM7557 | 2019.8 |
UEXTH(押出 タイ) | UNITED REGISTRAR OF SYSTEMS | 57487/B/0001/UK/En | 2013.8 |
UEXCZ(押出 チェコ) | Lloyd's Register Group Limited | 10302172 | 2005.11 |
UFOM(製箔 マレーシア) | AFNOR CERTIFICATION | N°2012/51248.3 | 2021.5 |
UFFV(鋳鍛 ベトナム) | SGS United Kingdom Ltd | VN14/00100 | 2014.8 |
UMCM(金属加工 メキシコ) | BSI | EMS 572174 | 2012.12 |
YJI(金属加工 インドネシア) | BSI | EMS 557832 | 2010.1 |
UMCTH(金属加工 タイ) | PERRY JOHNSON REGISTRARS,INC. | C2019-03001 | 2019.11 |
注: 上記会社名は2024年9月30日時点の会社/事業場名で記載しています。
エコアクション21(2024年6月30日現在)
事業場名 | 認証機関 | 認証番号 | 取得年月 |
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UACJ金属加工(成田工場) | 千葉県環境財団 | 0000341 | 2005.5 |
UACJアルミセンター(宇都宮カラーアルミ工場) | 一般財団法人 持続性推進機構 | 12021 | 2017.10 |
UACJ金属加工(広島工場) | 一般財団法人 持続性推進機構 | 0012626 | 2018.12 |
UACJ金属加工(仙台工場) | 一般財団法人 持続性推進機構 | 0012744 | 2019.4 |
注: 上記会社名は2024年9月30日時点の会社/事業場名で記載しています。
役員環境巡視
役員環境巡視は、環境トラブルの未然防止、リスク低減・解消のための策の立案、具現化の促進、環境法規制遵守の徹底を目的としてグループの国内事業場を対象に行っています。
環境担当役員と安全環境部から構成される巡視チームは各事業場を訪問し、環境管理について事業場からの報告と現地確認により、法規制の遵守状況、改善活動の進捗状況などについて点検しています。解決すべき課題については、安全環境部が指導・支援を行います。この活動により、グループ内の管理レベルの底上げを行っています。
2023年度は、国内5事業場、海外2事業場に対して現地確認を実施しました。
環境に関する法規制の順守状況
2023年度には、環境に関する排水の基準値を超過する事故が1件発生しました。
2023年10月25日夕刻に、UACJ深谷製造所の熱間圧延機のクーラント※1が構内排水路から所外河川に漏えいしました。この日、社員が点検中に排水路の水が白濁していることを確認。最終放流口水門を閉じ、所外河川への排水の油分濃度を測定した ところ、排水基準の5mg/Lをわずかに超過しました。 翌朝、環境管理事務所に連絡し、原因はクーラントを加熱する装置のOリングという部品が破損し、クーラントが加熱用蒸気のドレン水に混入して排水に流出したこと、河川への漏洩量は微小で下流への影響は認められなかったこと等を報告しました。再発防止のため、クーラント加熱用蒸気のドレン水の回収方法を改善するとともに、排水の白濁を日常点検する仕組みを作り実施中です。
※1 クーラント:2~5%の潤滑成分の 圧延油と水からなる冷却液のこと。人体に有害な成分は含んでいない。
環境関連投資額
UACJグループの2023年度の環境関連投資額は約12億円でした。圧延機電気機器の更新(UACJ製箔伊勢崎製造所)、空調機器の更新(各事業場)、加熱炉の燃料転換(深谷製造所)、PCB含有電気機器の更新(各事業場)、天井照明のLED化(各事業場)などを実施しました。
環境教育
地球環境保全に対する社会的責任を果たすため、全従業員に対して環境教育を行っています。
環境教育は安全環境部および各事業場の環境部門が担当しています。安全環境部では、環境保全に対する意識向上・啓発、UACJグループ環境基本方針の周知を目的とする基礎的な環境教育を実施しています。さらに、各職場が日々の業務の中で環境に配慮した行動を実践できるよう、内部監査員の養成・増員にも力を入れています。
また、環境関係の各種公的資格の取得を推奨し、環境法規制の動向に的確に対応できる人材の育成に努めています。各事業場では一般的な環境教育のほかに、環境に著しい影響をおよぼす可能性のある業務に従事する要員への特別教育を行っています。
環境管理有資格者数(2024年4月30日現在)
(名)
資格 | 有資格者数 |
---|---|
公害防止管理者 大気 | 33 |
公害防止管理者 水質 | 42 |
公害防止管理者 騒音 | 9 |
公害防止管理者 振動 | 7 |
公害防止管理者 騒音・振動 | 16 |
公害防止管理者 ダイオキシン類 | 24 |
エネルギー管理士 | 53 |
環境計量士 | 1 |
特別管理産業廃棄物管理責任者 | 48 |
毒物劇物取扱責任者 | 9 |
ISO14001内部監査員 | 270 |
注: 集計範囲:UACJおよび国内グループ会社全社
環境に関する外部表彰
2023年度は、環境関連の以下の表彰を受けました。
事業場名 | 表彰名 | 主催者・認定者 | 内容等 |
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UATHラヨン製造所 | GSEEプラチナレベル | 地方電力公社 | エネルギーおよび環境のマネジメントに関する表彰 |
ECO factory 更新 | タイ産業連盟 | エネルギーや環境に関する活動 CSR活動に関する表彰 |
|
アマタ最優秀廃棄物 管理賞プラチナレベル |
アマタシティ 工業団地 |
廃棄物管理に関する賞 |