リリース・お知らせ 2015年
2015年「年頭の辞」
2015年1月5日
代表取締役社長 CEO
岡田満
皆さん、ご安全に! 明けましておめでとうございます。
UACJグループとして2回目となりました正月を、皆さん心新たに迎えられたことと思います。また年末年始、設備工事などで出勤された方々、大変ご苦労さまでした。海外で新年を迎えられた従業員およびそのご家族の皆さんにも、あらためて感謝申し上げます。
一昨年の10月1日にUACJグループが誕生し、グローバルマーケットで確固たる存在感を持つ「世界的な競争力を持つアルミニウムメジャーグループ」という目標に向かって進み出して1年3ヵ月が経ちました。「UACJグループにとってなにがベストか」という判断基準を持ちながら、当面最大の課題とした「融合」、「統合効果の早期創出かつ最大化」、「タイ圧延工場の垂直立ち上げ」などに、各事業部門や各担当部門がおのおのの立場で精力的に取り組んでいただいたと思います。
また、2014年3月には、「UACJグループの将来ビジョン」を策定・公表し、そのなかで次の3点を重点施策として掲げました。
- 新規成長分野・成長市場への積極的なグローバル展開
- 事業再構築によるコスト競争力の強化
- 新技術・新製品開発の推進
統合からの1年間を振り返ってみますと、まず融合施策として、経営理念・行動規範の策定、各種システムや制度の統合、そして人事交流を推進してきました。また統合シナジーについては、UACJ製箔設立、UACJ物流とエルコンポの合併、UACJ金属加工設立とUACJコンポーネンツ深谷とニッケイ加工の合併、その他重複費用削減・技術融合などの実現に向けた施策を行ってきました。さらにグローバル展開については、韓国UPIA Co., Ltd.への資本参加、マレーシア箔会社の買収(現UACJ Foil Malaysia Sdn. Bhd.)、UACJ Trading(America)Co., Ltd.の営業開始、IWAI METAL CENTRAL MEXICO, S.A. DE C.V.の操業開始などがありました。UACJ (Thailand) Co., Ltd.については、昨年1月に予定通り第一期操業を開始し、第二期操業へ向けた準備が順調に進んでいます。5月には米国でのConstellium 社との自動車パネル材共同事業に合意し、2016年の生産開始へ向けた準備に着手しました。
皆さんおのおのの立場、環境でご苦労いただいたことと思います。すべての従業員の方のこれまでの努力に改めて感謝したいと思います。
そして12月10日には、2015~2017年度のUACJグループ中期経営計画「Global StepⅠ」を策定・公表しました。この中期経営計画で、世界の板圧延需要供給見通し、成長地域、成長分野という事業環境の認識のもと、先ほど述べました「UACJグループの将来ビジョン」をベースに、その実現に向けた具体的な重点方針を3点掲げました。
- 自動車を中心とした輸送分野、エネルギー分野などの成長製品の拡大と
アジアを中心とした成長地域の事業強化 - 各事業の最適生産体制の構築、技術融合の推進
- 先端基礎研究の強化と豊富な蓄積技術の活用による新技術・新製品の開発
また、中期経営計画においてはいろいろなご苦労を伴う施策も多数あり、皆さんのご理解とご努力なくして、目標の達成は成しえません。より一層のご協力をお願いいたします。
目標の設定はできました、あとはグループ一丸となって邁進するのみです。実行あるのみです。
さて、中期経営計画「Global StepⅠ」では、CSRへの取り組みにも言及しています。ステークホルダーの信頼を確保するため、基本的な考え方として、次の2点を掲げています。
- 社会に役立つ安全な製品や技術、サービスを継続的に創出・提供し、
お客様や取引先の信頼を獲得 - 健全な企業活動を通じて、株主・従業員や地域社会などに貢献
これは、今までになんどもお伝えし、昨年もこの場で話しました「お客様満足度の最大化」と「コンプライアンス、安全、環境、品質の徹底」と共通するものであり、皆さんの各取り組みにあたっては、常に意識していただきたいことです。
会社の事業は、お客様があってはじめて成り立ちます。これを胸に刻んで日々地道な活動を続け、原価低減による製品価格の競争力強化、品質の改善、生産技術によるリードタイムの短縮に加え、お客様の「こんなものが欲しい」をいち早く正しくキャッチし、これに応えられる新製品を開発し、マーケットに提供することにより、お客様の満足度が上がっていくものと確信します。
さらに、会社存続のために絶対的なMUST事項となるのが「コンプライアンス」です。昨年は経営理念・行動規範も策定しました。企業は社会の一員であり、社会のルールを遵守してはじめてその価値を認められ、存続しうるということを忘れてはなりません。一旦問題を起こして社会的信用を失うと、簡単には取り戻せないということを肝に銘じてください。
「安全、環境、品質」についてもいろいろな機会に申し上げていますが、これらは事業の根幹に関わります。安全、環境、品質の底上げなしに事業の継続的発展はありえません。これは普遍的なテーマであり、これでいいというゴールはありません。常に初心に返り今よりも高みを目指していくことが、これから直面していく課題の克服に必要になると考えています。
最後になりましたが、労働組合ならびにグループ従業員の皆さんには、昨年も会社諸施策へのご理解とご協力をいただき感謝を申し上げます。本年もなお一層のご理解とご協力をお願いいたします。
また現在、UACJ組合員層の皆さんの人事制度統合に向けた手続きも進めています。経営統合に伴う変化が多いなかではありますが、旧両社の「融合」にとって大切な制度統合となりますので、本件についても是非ご理解をお願いいたします。
UACJグループが、従業員の皆さんにとって安全安心で働きがいのあるすばらしい会社になること、あわせて「ゼロ災」を祈念しまして、新年のご挨拶とさせていただきます。