リリース・お知らせ 2020年
2020年「年頭の辞」
2020年1月6日
株式会社UACJ
代表取締役社長兼社長執行役員
石原 美幸
ご安全に。
新年おめでとうございます。
皆さんそれぞれ、心新たに新しい年を迎えられたことと思います。
年末年始に出勤された皆さん、大変ご苦労さまでした。また、海外で新年を迎えられた従業員とそのご家族の皆さんにも改めて感謝申し上げます。
昨年は、令和に元号が変わり、日本の新たな時代が始まりました。私たちUACJグループも、発足以来7年目に入りました。「アルミニウムの可能性を最大限に発揮し、社会と環境に貢献する」というスローガンの下、昨年は海外を中心に飲料容器などのアルミへの回帰という追い風もあり、「脱プラ・アルミ化推進プロジェクト」など若手中心の全社横断活動が結成されるなど新しい動きもありました。
年頭にあたり、昨年を振り返りつつ今年の「全員野球」の目標をあげたいと思います。
- 安全な職場を作ろう
昨年は大型の台風の度重なる上陸など、国内の自然災害が多くありました。被災された方々に改めてお見舞い申し上げます。職場では、皆さん誰もが必死に無災害職場を作ろうと不断の努力を積み重ねてくれています。私も絶対作り上げたいと思います。一緒に作り上げて行きましょう。
- 構造改革を確実に実行し目標を実現しよう
2018年度の決算が大変厳しい内容となったことを真摯に受け止め、昨年9月に6つの要素からなる「構造改革」を発表しました。今年はこれを確実に実行、実現し、信頼を回復することが最大の経営課題と考えています。
まず、事業収益力の回復です。板事業では日光製造所の閉鎖、深谷製造所の下工程の設備停止により一部の従業員の方に再配置等をお願いせねばならず、大変申し訳なく思います。改革を実現することで、皆さんやステークホルダーの方々がUACJが生まれ変わって良かったと思われるようになることを決意も新たにお約束します。
北米では、TAAのLogan工場において缶材生産能力増強を行いました。今年は、新しい冷間圧延機の早期操業開始により、販売拡大を実現しましょう。タイのUATHでは昨年完成した第3期投資の主要設備が年末に立ち上がりました。安全成績、生産量、販売量、そして利益に至るまで、計画を達成しようという一体感が形成されてきたと感じます。今年は320千トンの計画を達成しましょう。
国内では、福井製造所の自動車ボディパネル材一貫生産化起業立ち上げの年です。自動車の軽量化への対応として国内でも自動車ボディパネル材の需要拡大が見込まれます。この新たな成長の機会を確実に捉えて行きましょう。
昨年立ち上げた自動車部品事業では、北米を中心に加工設備の拡充を進めており、中国での合弁も始まります。押出加工では、名古屋に押出機を新設しました。新設備を生かして拡販に努め、生産最適化や集約に生かしましょう。電池箔の需要拡大、とりわけ中国での需要獲得に向けた乳源での箔設備の投資も今年が立ち上げの年です。
構造改革では、このような事業面の改革だけではなく、役員体制を含む組織の見直しやスリム化、働き方改革も積極的に進めていきます。各組織の業務の棚卸も鋭意進めていきましょう。
- 風土改革を進めていこう
新しい動きを加速するための風土改革を実行します。昨年より企業理念の見直しを進めてきました。国内外のグループ会社の中堅・若手の皆さんのアイデアがベースとなって、幹部の意見や専門家の監修をへて、経営トップとして思いをこめた当社グループの新企業理念が、概ね出来上がりました。近々、皆さんにお披露目する予定です。当社グループ社員一人ひとりが、物事の判断に迷った時や新しいことを始めようとしたとき、企業理念に立ち返って考え、UACJウェイに則して行動できるような風土を作ります。
- コンプライアンス(法令や社会のルール遵守)の実践に全力を傾注しよう
昨年は、内部通報制度のグループ内共通制度化や海外展開、グループ情報管理規定の制定と展開など、グループ内の共通規程の整備を中心に実行してきました。今年もさらに充実させていくことは言うまでもなく、安全衛生、環境、品質における法規、顧客仕様、社内の規則や決めたことなど、ものづくりの企業として大切にすべきことを遵守しましょう。
- 品質におけるものづくりの信頼を取り戻そう
ものづくりの企業グループとしてお客様の目線を大切にし、品質を大事に考えましょう。昨年も着実に改善が進んだ各拠点内での品質データの自動化等を継続し、お客様がアルミ業界の品質に信頼を寄せていただけるよう、私たちは業界の一員として、進捗の遅れや手戻りのないよう確実に前進させましょう。
- 人と組織を育てよう
昨年、グループ全体での技能伝承や技術力向上教育の仕組みづくりとして、「UACJものづくり学園」を始動しました。この背景には、「研究開発や製造の技術力は評価されているが儲からない会社」ではなくお客様目線で競争力のあるものづくりが継続してできる会社を目指す。全ての職場で、一人ひとりがものづくりと製品に誇りをもって働いている。それを教育を通じて実現する。という考えがあります。
各拠点が独自に、残したい技能や伸ばしたい技能を見つけ、伝承の仕組みを作ってほしいと思います。
また、生産性を高め競争力のある働き方をめざす動きとして、働き方の改革の一環で「U-KI(UACJ Knowledge intensive staff Innovation)」活動も始まりました。すでにさまざまな部署で自発的に取り組みが開始されていますが、ぜひ皆さんの部署も参加していただくようにお願いいたします。
- 新製品の芽を育てよう
R&Dセンターのリニューアルと同時に「融合から閃きへ」をキーワードに、オープンイノベーションの場として「U-Al Lab.」を開設しました。R&Dセンターを訪問頂いた方々と共に研究開発を発展させていきたいという思いを込めています。客先との「共創」を目指すこの場にも、顧客目線の材料開発を追求する思いがあり、すでにご見学いただいたお客さまとの共創勉強会に繋がった例があります。北米やタイのR&D拠点との相乗効果も含め、さらに加速した成果に期待します。
今年は、改革の実行力に加えて実現力を発揮する年です。私を含む経営陣が一体となって、これらの目標の実現と構造改革の実行を進めていきます。
UACJグループの皆さん、これからが大事です。厳しい状況にあっても、なにごとにも勇気を持って立ち向かいましょう。自分たちの意思で主体的に実行、実現して行きましょう。今こそ、先人が創ったUACJを未来の後輩のために成長させようではありませんか。経営陣と従業員の一人ひとりが構造改革の計画を自分ごととして捉え、それぞれの立場でそれぞれの役割を果たしていきましょう。それが全員野球です。よろしくお願いします。
UACJグループ、および関係する各社の皆さんとそのご家族のご健勝を心より祈念して、私の新年の挨拶とさせていただきます。
ご安全に。