リリース・お知らせ 2021年
2021年度新入社員への社長メッセージ
2021年4月1日
ご安全に。
皆さん、入社おめでとうございます。
UACJグループを代表して、皆さんを心から歓迎します。
本年は、この4月に入社されるUACJグループの新入社員の皆さんとオンラインライブでつなぎ、ご挨拶をさせていただきます。
2020年を振り返りますと、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、これまで当たり前だと思っていた価値観や行動様式が大きく変化する中で、それに対応せざるを得ない大変な一年だったと思います。一方、自宅にいる時間も多くなる中で、ご家族の大切さに改めて気づいたり、オンライン授業に出席するなど新たな学びやチャレンジに取り組んできた方も多くいらっしゃると思います。
UACJグループにとっても2020年は激動の年であり、新型コロナウイルスの世界的な蔓延により、事業運営にも大きな影響がありました。一方で、当社製品は世界の産業や暮らしの維持に不可欠であるという使命感を持って、最大限の感染予防策・拡大防止策を講じながら、社員全員が一丸となり、事業活動を継続させてまいりました。それと同時に、アルミ材を使用したパーテーションや抗菌作用のあるフェイスシールドを公共機関や病院へ寄付するなどの社会貢献活動を実施しました。また、在宅勤務を活用したテレワークを実施したりするなど、急激な環境変化をむしろチャンスと受け止めて、さまざまな新しいチャレンジに取り組むことができた一年でもありました。
さて、当社は2020年にグループ企業理念を再定義しました。当社の企業理念体系は、企業理念、目指す姿、価値観で構成されています。企業理念は、「素材の力を引き出す技術で、持続可能で豊かな社会の実現に貢献する。」です。目指す姿は「アルミニウムを究めて環境負荷を減らし、軽やかな世界へ。」です。価値観は3つあり、「1つ目は、相互の理解と尊重、2つ目は、誠実さと未来志向、3つ目は、好奇心と挑戦心」です。
そして、その理念の実現に向けて、UACJグループの社員が持つべき行動の指針として、「UACJウェイ」を定めました。皆さんには、これからお話しする、「UACJウェイ」の3つの価値観を常に念頭に置きながら、今後配属される各職場で、若い力と感性を思う存分発揮していただき、当社グループの大きな戦力として成長、活躍されることを期待しています。
UACJウェイの価値観の1つ目は「相互理解と尊重」です。
当社はグローバルに社員約1万人を超える企業グループです。このような多様なメンバーと協働して成果を生み出していくためには、お互いの考え方や価値観の違いを認め、オープンなコミュニケーションを行っていくことが大事です。
そのためには、「長所軸で人を見ること」が大切です。これから多くの人に出会うであろう皆さんには、一緒に働く仲間の短所でなく、長所を見つけられる人材になってほしいと思います。
UACJウェイの価値観の2つ目は、「誠実さと未来志向」です。
当社の先人達は、研究・製造・販売など、関係部門で緊密に連携し、お客様の期待に沿う品質・納期・コストの実現を愚直なまでに追求することで、UACJグループらしい「誠実なモノづくり」を実践し、お客様の信用を勝ち得てきました。「誠実なモノづくり」の実現には、現場・現物・現実を正確に捉え、原理・原則に照らした判断である5ゲン主義に基づいて行動することが必要です。皆さんは、まずは「現場を知る」「お客様を知る」という2つのことから取り組んでほしいと思います。
また「未来志向」で、5年後、10年後、自分を取り巻く環境はどのように変わっているのか、そのとき自分はどのように仕事をしていたいか、またそのために今、何をすべきか、考えることも大切です。ポジティブでワクワクする未来を描くことがポイントです。
UACJウェイの価値観の3つ目は、「好奇心と挑戦心」です。
アフターコロナの時代に入ると、人々の暮らしも大きく変わり、これまでのビジネス環境・常識も変化する可能性があります。このような環境変化に適応していくためには、社員一人ひとりが既存の常識にとらわれることなく、常に「好奇心」と「挑戦心」をもって、社会が必要とする製品・サービスを届けていくことが求められます。皆さんも配属された職場で、若い新鮮な目から見て「ここはこうしたほうがいい」「もっとこうできる」という意見があれば、臆することなく上司や先輩に相談して、まずは自分の周りから変革を進めてほしいと思います。
そしてこれから申し上げることは、本来最初に申し上げるべき内容ですが、記憶に残してもらいたいため、あえて最後にしました。それは、UACJウェイのベースとなる行動原則(モノづくり企業としてのあたりまえの行動原則、基盤としての考え方)である「安全とコンプライアンス」です。
冒頭に私が申しあげた「ご安全に」ですが、ドイツの鉱山で交わされていた「Gluckauf」という「ご無事で」という意味の坑夫のあいさつ言葉が由来です。当社においても社員同士が、お互いの安全意識をきちんと共有・啓発するために日々、この言葉を掛けあっています。日本の製造業ではよく使われています。
皆さんも、「UACJでは安全がすべてに優先する。自分の身は自分で守る」ということを肝に銘じて、まずはこの「ご安全に」という言葉を、それぞれ配属された職場でしっかりと声に出して発せられるようになっていただきたいと思います。
コンプライアンスについては、社会の公器として最低限遵守すべきことです。当社には、安全衛生、環境、品質における法規、顧客仕様、社内の規則や決めたことなど、さまざまなルールがあります。新入社員の皆さんは、まずこれらのルールを教えてもらい、理解し、それに沿った行動を行うことから始めてください。
今後、「環境」と「デジタル」をキーワードに、さらにスピードを増して世の中が変化していくものと思われますが、そこには大きなチャンスがあります。例えば「環境」の面では、アルミニウムは軽く、熱伝導率が高く、なによりもリサイクルしやすいことから期待を集めており、大きなビジネスチャンスがこの先に潜んでいます。また、「デジタル」技術を有効に活用することにより、生産性やこれまでの働き方を大きく変革できるチャンスだと考えています。
本日、この場にいらっしゃる皆さんは、生まれてすぐにデジタルに触れて育ってきた、デジタルネーティブ世代の皆さんです。皆さんにはこれまでの古い価値観や概念にとらわれずに、これから起こる変化をチャンスと捉えて、さまざまなことにチャレンジして、UACJグループに新しい風を吹き込んでほしいと思います。大いに期待しています。
さあ新入社員の皆さん。今日からUACJグループの「全員野球」に参加するひとりとして、それぞれの立場でそれぞれが持つ可能性を最大限に発揮し、「アルミでかなえる、軽やかな世界」の実現に向けて、我々と共にアルミニウムのモノづくりを通して、社会課題の解決に取り組んでいきましょう。「全員野球」とは一つの目標に向かい、全員がそれぞれの役割を全力で果たしていくことを言い表しています。
私から皆さんにお伝えしたいことは以上ですが、今後の会社生活においては、なによりもまず「安全」と「健康」に留意してください。そして心身ともに健康を維持することが社会人の基本であることを忘れないようにしてください。
地球規模での災難とも言えるこの時期に入社された皆さんだからこそ、今日の新鮮な気持ちを忘れず、当社の社員として、また社会人として、長く且つ、実り多い会社生活を送られることを祈念して、私の挨拶といたします。
ご安全に。