リリース・お知らせ 2022年

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RFIDでサプライチェーンをまたぐ医薬品トレーサビリティを確保するデモシステムを構築
—Tag 4 Link™が製造から薬局での処方までの安心・安全を提供—

2022年5月18日
株式会社UACJ
株式会社UACJ製箔
朝日印刷株式会社
サトーヘルスケア株式会社
大成化工株式会社
藤森工業株式会社
株式会社マイクロ・テクニカ

株式会社UACJ、株式会社UACJ製箔、朝日印刷株式会社、サトーヘルスケア株式会社、大成化工株式会社、藤森工業株式会社、株式会社マイクロ・テクニカの7社は、「Tag 4 Link™」 の取り組みの一つとして、RFID※1タグを埋め込んだボトルや薬液バッグ、錠剤シートなどを活用することで、医薬品のIDや入出荷の履歴などを、製薬メーカーから卸業者、病院や調剤薬局までサプライチェーンをまたいで、ひと続きでトレース(追跡)できるデモシステムを構築しました。Tag 4 Linkは、RFIDを使った医薬品のサプライチェーン全体の安心・安全や業務効率化のしくみの実現を目的に活動する、2019年に設立されたコンソーシアムです。今回のデモシステムは、サプライチェーンの皆さまがそれぞれの現場で試用することが可能です。

医薬品を取り巻くサプライチェーンでは、人手不足の中でも正確な業務を行い、患者に安心・安全な医療を提供するために、医薬品の入出荷の情報を製造の段階から管理できるトレーサビリティの確保や、在庫管理など関連業務の省力化が求められています。今回のデモシステムは、医薬品の製造時に、薬剤を入れるボトルや薬液バッグ、錠剤シートなどにRFIDタグを埋め込み、その入出荷のデータをブロックチェーンで管理することで、医薬品のトレーサビリティや偽造品のチェックを可能にするものです。

医薬品の種類、数量、ID、使用期限、入出荷時間、サプライチェーン内でどこに存在するかなどの情報を、製薬メーカーから病院・薬局までの間の各現場で、RFIDを使って読み込み・書き込みし、ひと続きのデータとして管理します。RFIDリーダーを使うため、配送時の外箱を開けなくても、情報の一括読み取り、書き込みができ、入出荷業務を正確化・省力化します。将来的には、錠剤シートの開封検知機能と連携した、患者までを含めたトレーサビリティに拡張することを検討しています。

なお、今回のデモシステムについて、2022年5月26日からオンラインで開催される公益社団法人日本薬剤学会の「第37年会」で発表します。

Tag 4 Linkでは、RFIDによる「正確・省力・安心」の医薬品サプライチェーンの管理により、社会から求められている効率的かつ質の高い医療サービスに貢献してまいります。

  • ※1 Radio Frequency Identificationの略。電波や電磁波を利用し、非接触でタグの情報の読み書きができる技術。業務改善やセキュリティ対策を実現するツールとして、製造、物流、小売、サービス、交通などの分野において、個体識別、トレーサビリティ、環境への対応といった用途で活用されている。

参考資料:デモシステムの流れ

1.製薬メーカーでの出荷

製造されたボトルや薬液バッグ、錠剤シートなどの医薬品の出荷時に、タグ情報をRFIDリーダーで一括読み取りし、出荷数や出荷先などをエッジサーバに登録します。エッジサーバでは、医薬品の入出荷の履歴を個品単位で管理します。

2.卸業者での入荷

製薬メーカーから受け取った医薬品を未開封の状態でRFIDリーダーを使って一括読み取りし、入荷情報をエッジサーバに登録します。

3.卸業者での出荷

出荷する医薬品を梱包した後、タグ情報をRFIDリーダーで一括読み取りし、出荷数や出荷先などをエッジサーバに登録します。

4.病院・薬局での入荷

卸業者から受け取った医薬品を未開封の状態でRFIDリーダーを使って一括読み取りし、入荷情報をエッジサーバに登録します。

5.病院・薬局での出荷

患者に渡す医薬品のタグ情報をRFIDリーダーで読み取り、出荷数や患者に渡したことをエッジサーバに登録します。

上記の各工程で、医薬品に偽造品が紛れていないかのチェックが可能です。偽造品の疑いがある場合には、エッジサーバの画面にその結果が表示されます。

システム構成図

Tag 4 Link システム構成図

管理できる医薬品資材

  • ・RFIDタグ付きボトル
  • ・RFIDタグ付き薬液バッグ
  • ・RFIDタグ付き錠剤シート(PTPシート)
  • ・上記の個装箱や梱包用外箱

管理できるデータ

  • ・資材の種類(ボトル、薬液バック、錠剤シート)
  • ・資材の数量
  • ・資材のID
  • ・ロット、使用期限
  • ・出荷・着荷した時間
  • ・今の時点でサプライチェーン内のどこにあるか
  • ・入荷元、出荷先

医薬品資材

各社の紹介

社名 朝日印刷株式会社
本社 富山県富山市
代表者 朝日 重紀
  ・RFIDタグ付き個装箱(パッケージ)の製造
・開封検知ソリューションのソフトウェアの提供
社名 サトーヘルスケア株式会社
本社 東京都港区
代表者 橋本 英幸
  ・RFIDタグの設計、製造
・RFIDリーダーやラベルプリンタなど、周辺機器の提案
社名 大成化工株式会社
本社 大阪府茨木市
代表者 白石 保行
  ・RFIDタグ付ボトルの設計、製造、販売
・その他のRFIDタグ付医薬品容器および医療機器の設計、製造、販売
社名 藤森工業株式会社
本社 東京都文京区
代表者 布山 英士
  ・RFIDタグ付き薬液バッグの設計、製造
・RFIDタグ付き錠剤シート(PTPシート)の設計、製造
社名 株式会社マイクロ・テクニカ
本社 東京都豊島区
代表者 土屋 武仁
  ・Tag 4 Linkソリューションの提案
・Tag 4 Linkソフトウェアの設計、製造、販売
社名 株式会社UACJ
本社 東京都千代田区
代表者 石原 美幸
  ・将来的に連携を検討中の開封検知機能付きPTP錠剤シートの設計、製造※2
社名 株式会社UACJ製箔
本社 東京都中央区
代表者 今泉 明人
  ・将来的に連携を検討中の開封検知機能付きPTP錠剤シートの設計、製造※2
  • ※2 UACJは、日本発の総合アルミニウムメーカー。UACJ製箔では、アルミ箔の総合メーカーとして、リチウムイオン電池や医薬品包装用、食品包装用のアルミ箔の設計や製造を行っている。開封検知機能付きのPTP錠剤シートも開発しており、将来的に本デモシステムと連携し、患者の服薬までトレースすることを検討している。
  • ※3 その他記載されている会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。

UACJについて

株式会社UACJ(ユーエーシージェー)は、グローバルに事業を展開する日本発の総合アルミニウムメーカーです。グループ企業理念では、「素材の力を引き出す技術で、持続可能で豊かな社会の実現に貢献する」を掲げています。
当社は、2013年に古河スカイ株式会社と住友軽金属工業株式会社が経営統合し、発足しました。グループ内に板、自動車部品、押出、箔、鋳鍛、金属加工の6つの事業を持ち、飲料缶、自動車、IT機器、空調、航空宇宙産業などの幅広い産業分野にアルミニウム素材を供給しています。
アルミニウム板事業では、北米・タイ・日本の3極グローバル体制を構築しており、自動車部品事業では、北米・中国・日本で合金開発から設計までの一貫生産体制を活かしたビジネス展開を行っています。2022年3月期の売上高は7,829億円、グループ従業員は2021年3月時点で約9,700人です。