リリース・お知らせ 2023年
2023年度新入社員への社長メッセージ
2023年4月3日
ご安全に。
皆さん、入社おめでとうございます。
UACJグループを代表して、皆さんを心から歓迎します。
皆さんは、約3年間コロナ禍で行動に制約を受ける中で、日常生活や学業で大変なご苦労をされてきたと思います。さまざまな困難を乗り越えて、UACJグループにご入社されたことを心からお祝いします。UACJは、今年の10月で発足10周年を迎えます。また今年は、アルミニウム圧延事業開始125年目の記念すべき年です。この節目の年に皆さんを迎えられたことを光栄に思います。
2022年、世界経済においては、コロナ危機からの回復傾向を辿る中、今後の景気の見通しを押し下げる要因が複数発生し、日本経済も物価の上昇や人材不足などの課題に直面しています。
UACJグループを取り巻く環境としては、世界的な環境意識の高まりからアルミニウムの旺盛な需要が継続しており、世界の産業や暮らしを維持するため、当社製品は不可欠であるとの使命感をもって事業活動を行っています。引き続き、従業員全員が一丸となり、私が従業員の皆さんに呼び掛けている「全員野球」で、社会的使命を果たしていきたいと考えます。
「全員野球」とは、一つの目標に向かい、全員が各立場で役割を果たしていくことを言い表しています。「全員野球」に参加する従業員一人ひとりが、UACJのパーパス※1や企業理念に共感できることが大切だと考えます。今後どのような環境変化が起きようとも、グループの全員が同じ目標に向かって取り組む体制を築くために、理念はとても重要です。
皆さんには企業理念の話を最初にします。UACJグループの企業理念体系は、企業理念・目指す姿・価値観で構成されています。企業理念は、「素材の力を引き出す技術で、持続可能で豊かな社会の実現に貢献する。」、目指す姿は「アルミニウムを究めて環境負荷を減らし、軽やかな世界へ。」です。これらの実現に向けて、UACJグループ一人ひとりの行動の羅針盤として、「UACJウェイ」を定めました。皆さんには、これからお話しする「UACJウェイ」の3つの価値観を念頭に置きながら、配属される各職場で若い力と感性を思う存分発揮していただき、当社グループの戦力として成長、活躍されることを期待しています。日々の業務において、物事の判断に迷った時や新しいことを始める時、困難に立ち向かう時には、UACJウェイに立ち返り、3つの価値観のうち、一つでも当てはまると思う方向に進んでください。
1つ目は「相互の理解と尊重」です。
皆さんが配属される職場は、さまざまなバックグラウンドや考え方を持つメンバーで構成されています。当社では、このような多様な人材が、互いの価値観や個性を受け入れながら、個人が成長し組織が強くなるために、DE&I※2を目指しています。職場に配属されたらまずは元気に挨拶し、人とのつながりを通して自身の視野や活動を広げ、魅力的な人間になってほしいと思います。
2つ目は「誠実さと未来志向」です。
当社の先人たちは、会社は世の中の役に立つためにあるという思いのもと、お客様の期待に沿う品質・納期・コストの実現を愚直なまでに追求することで、「誠実なものづくり」を実践し、お客様の信用を勝ち得てきました。この実現には、現場・現物・現実を正確に捉え、原理・原則に照らした「5ゲン主義」に基づいて行動することが必要です。皆さんは、いかなる時も誠実に人や製品に向き合い、「わざ（技）」と「すべ（術）」を究め、努力と研鑽を積み重ねてください。
3つ目は「好奇心と挑戦心」です。
新型コロナウイルスや気候変動問題は、技術革新や生活様式の変化を加速させています。これからの10年で、さまざまな新しい技術や製品、サービスが生まれることでしょう。このような環境変化に適応していくためには、日頃から「好奇心」をもち、これまでの前例や常識に捉われない「挑戦心」のもと、解決策を形にしていくことが求められています。皆さんも既成概念に捉われず、変化し続けることをよしとし、アイデアと情熱を持って新しい仕事に取り組み、アルミニウムの可能性を広げてほしいと思います。
UACJウェイは、個人の成長と、組織の強化を支えてくれます。新しい仲間との出会いによって、一人では解決できないこともチームなら解決できると信じて行動してください。
次に、サステナビリティ活動の話をします。
UACJグループは、2030年のありたい姿を見据えた「UACJ VISION 2030」を策定しました。そして、この実現のための最初のステップとして、2021年4月から第3次中期経営計画を始めています。本計画では、「サステナビリティ推進」を重点方針の一つに位置付けています。軽くて強く、リサイクル性が高いといった、環境負荷低減に貢献する高品質なアルミニウム製品の供給を通じて、環境問題などの現代社会が直面する課題を将来に残さず、次世代に今よりも軽やかでわくわくする未来を提供する会社でありたいという思いを込めています。
アルミニウムは持続可能な社会の実現に不可欠な素材です。そして、そのアルミニウムを社会に供給する当社は、自らも持続可能な存在でなければならないと考えます。そのためには、皆さんも含めた従業員一人ひとりのサステナビリティ活動への主体的な参加が欠かせません。自分自身が未来の社会にどのように貢献するのか、そのために必要なことは何か、時折立ち止まり、考えを巡らせてみてください。そしてUACJが「サーキュラーエコノミー※3の“心臓”」として社会を明るい未来に導けるよう努めてください。
これから申し上げることは、本来最初に申し上げるべき内容ですが、記憶に残してもらいたいため、あえて最後にしました。それは、UACJウェイのベースとなる行動原則（ものづくり企業としての当り前の行動原則、基盤としての考え方）である「安全とコンプライアンス」です。
冒頭に私が申し上げた「ご安全に」という呼びかけですが、ドイツの鉱山で交わされていた「Gluckauf（ご無事で）」という意味の挨拶が由来です。当社においても従業員同士が、互いの安全意識を共有・啓発するために日々、この言葉を掛け合っています。皆さんも、「UACJでは安全が全てに優先する。自分の身は自分で守る」ことを肝に銘じて、まずはこの「ご安全に」という言葉を、配属された職場でしっかりと発せられるようになっていただきたいと思います。
コンプライアンスは、社会の公器として最低限遵守すべきことです。当社には、安全衛生、環境、品質における法規、顧客仕様、社内の規則など、さまざまなルールがあります。新入社員の皆さんは、まずこれらのルールを理解し、それに沿った行動から始めてください。
さあ新入社員の皆さん、今日からUACJグループの「全員野球」に参加する一人として、可能性を最大限に発揮し、「アルミでかなえる、軽やかな世界」の実現と社会課題解決に向けて、アルミニウムのものづくりを通して取り組んでいきましょう。
皆さんが今感じている新鮮な気持ちを忘れず、当社の社員として、また社会人として、長くかつ実り多い社会人生活を送られることを祈念して、私の挨拶といたします。
ご安全に。
- ※1 パーパス：企業の存在価値や社会的意義
- ※2 DE&I（ダイバーシティ・エクイティ＆インクルージョン）：多様性・公平性・包括性
- ※3 サーキュラーエコノミー：循環型経済