リリース・お知らせ 2024年
自動車パネル材のプレス成形予測技術の共同開発を開始
—自動車メーカーやプレスメーカーでのアルミ板材用金型の設計期間短縮への貢献を目指す—
2024年12月25日
株式会社UACJ(本社:東京都千代田区、代表取締役:田中信二)はこのほど、自動車ボディパネル用アルミ板材のプレス成形予測技術について、金型メーカーの株式会社富士テクニカ宮津(本社:静岡県駿東郡、代表取締役社長:長谷川浩、以下「富士テクニカ宮津」)と共同開発を開始しました。本技術開発は、約25年前から継続検討してきた未解決の難題を解決するための試みであり、カーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組みの一環のものです。
本予測技術は、自動車メーカーやプレスメーカーでアルミ板材をプレス成形する際に使用される金型の設計に生かされるものです。当社はボンネット、ドア、フェンダーなどに使用される自動車ボディパネル材を製造・販売しています。これらの材料をプレス成形する際に使用される金型は、プレス成形した際に、割れやしわが発生せず、狙った寸法に収まるよう作る必要があります。しかし、アルミ板材のプレス成形予測技術は、プレス成形中に板材がどのように硬くなっていくか、金型表面を板材がどのように滑っていくかなどを成形シミュレーション上で正しく表現するための手法が開発段階にあるため、発展途上の技術になります。当社と富士テクニカ宮津は、お客さまの課題にソリューションを提供するため、本予測技術開発に取り組むことを決定しました。本予測技術の実現により、これまで課題となっていたアルミ板材用金型の設計期間短縮、特に金型設計時の試作回数の低減に貢献することが期待でき、金型製作工程におけるエネルギー使用量を削減できます。さらに、アルミ板材の提供拡大による自動車の軽量化への貢献が期待でき、温室効果ガス(GHG)排出量の低減につながります。
アルミニウム総合メーカーである当社は成形シミュレーション技術の開発、富士テクニカ宮津は実プレスによる成形シミュレーション結果の検証を担い、プレス成形予測技術の開発を目指していきます。当社は、アルミニウム業界における自動車ボディパネル材のプレス成形予測技術の発展に貢献するとともに、本技術から得られた情報をアルミ板材の開発にフィードバックし、アルミ板材の特性改善も行っていきます。
当社は、今後も企業理念に掲げる「素材の力を引き出す技術で、持続可能で豊かな社会の実現」を目指し、会社の枠を越えた技術開発を推進してまいります。


富士テクニカ宮津について
株式会社富士テクニカ宮津は、2016年に総合容器メーカー東洋製罐グループの一翼である東洋鋼鈑グループの一員となって以来、「常に新しい価値を創造し、持続可能な社会の実現を希求して、人類の幸福に貢献します」という企業理念のもと新たなスタートを切りました。
富士テクニカ宮津は、合併以前の旧富士テクニカ、旧宮津製作所の時代から70年に渡り積み上げてきた熟練のプレス金型技術と最新のIT技術を融合させて、プレス金型の分野を革新的で魅力的な“ものづくり”へと進化させていくことを目指しております。
そして何よりも、私たち一人ひとりが利用者として『乗ってみたい』、『運転してみたい』と思える斬新で魅力的なデザインの自動車を世界中のお客様と共にかたちにするため、ひたむきに金型づくりに向き合っています。
UACJについて
株式会社UACJ(ユーエーシージェー)は、グローバルに事業を展開するアルミニウム総合メーカーです。「アルミでかなえる、軽やかな世界」をスローガンに掲げ、素材の力を引き出す技術で、持続可能で豊かな社会の実現に貢献することを目指しています。
UACJは、アルミ圧延を開始してから125年以上の歴史を持ち、グループの総合力を発揮し、板、自動車部品、押出・加工品、航空宇宙・防衛材、箔の5つの事業を展開。飲料缶、自動車、IT機器、空調、航空宇宙産業などの幅広い分野にアルミ素材を供給し、人びとの暮らしや産業を支えています。
2024年3月期の連結売上高は8,928億円、グループ従業員は約10,500人です。