リリース・お知らせ 2025年
2025年「年頭の辞」
2025年1月6日
株式会社UACJ社長の田中信二による当社グループ従業員に向けた「2025年 年頭の辞」を下記のとおりお知らせいたします。
ご安全に。
明けましておめでとうございます。
皆さんそれぞれ、心新たに新しい年を迎えられたことと思います。年末年始に工事や稼働、立ち上げなどで休日出勤された皆さん、本当にお疲れさまでした。また、海外で新年を迎えられた従業員とそのご家族の皆さんにも改めて感謝申し上げます。
新年にあたり、昨年を振り返るとともに、本年の方針について、お話したいと思います。
昨年の世界経済を振り返ると、インフレ率の低下や世界貿易の回復などにより、底堅い成長を継続した一年でした。一方で、さまざまな分野においての「対立と分断」の構図が私たちの事業活動の大きなリスクになりました。日本経済も緩やかに景気を回復させてきましたが、実感は乏しかったようにも思います。
4月には、「稼ぐ、繋ぐ、軽やかに」と銘打った第4次中期経営計画をスタートしました。「素材+α」の戦略として「リサイクルの推進」「素材+加工ビジネスの拡大」「先端分野のサプライチェーン安定化への貢献」「新領域の拡大」という4分野を選定し、各分野での収益最大化を目指すこととしました。
組織体制の面では、押出・加工品事業本部、航空宇宙・防衛材事業本部を発足させ、各事業部門が連携し事業部門を横断する体制としました。箔事業については、他社との経営統合を中止することになりましたが、電池用箔の需要が増加する見込みに変わりはなく、UACJグループとして圧延能力の増強に努めていく考えです。新製品・新技術の面では、「縦型高速双ロール鋳造機」が実証実験を開始し、アップグレードリサイクルの取り組みをさらに進めることができました。
続いて、本年の方針についてお話します。
世界経済は当面安定した経済成長を続けるものと見込まれていますが、貿易紛争の拡大も懸念されるなど、先行きは非常に不透明です。日本経済は、内需を中心として緩やかに景気回復するものと見込まれますが、「人手不足のなかでの生産性向上」「商品・サービスの付加価値の向上」「予想される金融コスト上昇への対応」など、多くの課題が上げられます。
こうした経営環境のもと、我々は、2030年までの長期経営ビジョン「UACJ VISION 2030」の実現に向け、素材提供企業から、「素材+α」の付加価値提供企業に成長していかなければなりません。新たな価値を創出・拡大するとともに、体質強化を実現できるよう、次の4点を重点方針として取り組んでいきます。
1つ目は、安全・コンプライアンス・品質など、UACJグループとしての当たり前を実践し、深化させていくことです。「安全」が全てに優先することを改めて肝に銘じ、災害撲滅に向けた活動を推進します。そして、法規やお客さまとの取り決め、社内の規則・行動規範を遵守し、お客さまの満足と信頼を得る製品・サービスを目指していきます。
2つ目は、UACJ VISION 2030へつながる成長・価値創出拡大と体質強化に向けた取り組みを着実に推進していくことです。アルミニウムの循環型社会(サーキュラーエコノミー)の構築に向け、当社にとって重要戦略であるリサイクルへの取り組みを強力に推進します。また、付加価値や新しいサービスを提供できるよう、新製品・技術の開発や原料などの確保も進めていきます。
生産現場の安全性・生産性向上に向けた自動化・無人化や、間接部門の生産性向上も進めていきます。さらに、非財務目標の達成に向けた活動も推進していきます。
3つ目は、中計および今年度計画の目標達成に向けた活動の推進です。地金価格の高騰や、円安による運転資金の増加、設備投資額の増加など、中計立案時の想定よりも財務体質悪化のリスクが高まっています。投資余力を確保するべく、起業の早期収益化や効果創出を図ります。また、財務目標達成の観点から、キャッシュフローの最大化と資本効率の改善に引き続き注力していきます。
4つ目は、“Well-being”の実現です。一人ひとりが心身ともに健康で活躍できるよう、個人の成長と組織力強化を図り、従業員エンゲージメントの向上を目指します。また、DE&I(デ・ア・イ)が当たり前の風土づくりにも取り組みます。
UACJグループ、並びに関係する各社の皆さんと、そのご家族の方々のご健勝を心より祈念して、私のあいさつとさせていただきます。
ご安全に。