リリース・お知らせ 2025年

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プロ車いすテニスプレーヤー・小田凱人選手にアルミ製フライトケースを寄贈
—アルミニウムの軽さ・強さを生かした「ALmitas+ Smart Sheet」で国際大会などの遠征をサポート—

2025年6月3日

株式会社UACJ(本社:東京都千代田区、代表取締役:田中信二)はこのほど、一般社団法人日本車いすテニス協会(事務局本部:熊本県荒尾市、会長:前田惠理、以下「JWTA」)を通じて、プロ車いすテニスプレーヤーで世界ランキング1位(2025年5月末時点)の小田凱人選手に、遠征時に競技用の車いすを入れて運ぶオリジナルのアルミ製フライトケースを開発・製造し、寄贈しましたのでお知らせします。

小田選手からは、「大切な競技用車いすを守るケースをここまで本気で作り込んでもらったので、安心してツアーに回れます。世界を転戦するうえでは、空港に着いて車いすが壊れている心配もなくなり、それが一番、僕にとって大事なことなので、実現してくれたのがうれしいです。色もシルエットも気に入っています。とても満足しています。」とコメントをいただきました。今後国際大会などの遠征時に活用していただきます。

小田選手とフライトケース

1.経緯

当社は、2023年7月からJWTAとオフィシャルサポーター契約を締結し、車いすテニスの振興や社会におけるDE&Iの推進をサポートしてきました。アルミニウムは、軽量性や強度の高さが評価され、車いすテニスをはじめとするパラスポーツの競技用車いすの部材にも使用されています。UACJはその材料を供給していることから、オフィシャルサポーターとなりました。

オフィシャルサポーターとしてJWTAと話を進める中で、これまで車いすテニス選手が遠征の際に使用するフライトケースとして適切なものがなく、各選手がひもで結び付けるなど工夫をして、車いすを飛行機に積み込んでいるという状況がわかりました。当社は選手を応援したいという思いで、アルミニウムの軽量性や強度の高さ、優れた加工性や光沢性を生かしたフライトケースの開発に至り、昨年JWTAに5台寄贈したという経緯があります。

今回は小田選手より、オリジナルで専用のフライトケースを製作してほしいとの依頼があり、小田選手と当社で数回のヒアリングと検証を重ね、このほど完成したものです。

2.本フライトケースについて

本フライトケースは、車いすテニスの競技用車いす1台を収納し、運搬するためのものです。車いすの車輪を外し、側面に組み合わせて配置すると収まる形状で、コンパクトなサイズを実現しています。強度と軽量性を両立させるため、アルミ板には、超軽量・高剛性のアルミパネル「ALmitas+ Smart Sheet」を使用しています。これにより、意匠性が生かされているほか、ケース内はウレタンスポンジにより、運搬の衝撃から守っています。

フライトケース

UACJは今後も、アルミニウムの力を引き出し、素材や製品の供給をとおして挑戦する方々を支えてまいります。

フライトケース概要

サイズ(外寸) 993mm x 757mm x 905mm(キャスター込み)
重量 約25kg
カラー チャコール
素材 アルミニウム、他

車いすテニスについて

「ツーバウンドまでの返球」が認められている以外は、一般のテニスとほぼ同じルールで行われるパラスポーツ。男女別のシングルス、ダブルスのほか、三肢以上に障がいのある選手を対象とする男女混合のクアードクラスに分かれる。一般のテニスの四大大会である全豪オープン、全仏オープン、ウィンブルドン、全米オープンに車いす部門が設けられているほか、日本国内でもJapan Openなど世界最高峰レベルの国際大会が開催されている。

JWTAについて

1989年に設立され、車いすテニスの普及や発展のために活動する、日本の車いすテニスの統括団体。選手の発掘・育成・支援、車いすテニスの普及、競技ルールや国内ランキングの整備、障がい者の社会参加促進事業などを行う。年齢や身体的特長に関らず障がいのあるすべての人が、楽しく、自由に、のびやかに、各々の目的に応じて車いすテニスを愉しめるよう、ハード・ソフト両面での環境整備を目指している。また、車いすテニスを通じて、障がいのある方の社会参加・社会貢献への意欲を高め、垣根のない共生社会づくりに努めている。

小田凱人選手について

小田凱人(おだ ときと)

2006年5月8日生まれ。愛知県出身。176cm、65kg。9歳で骨肉腫になり車いす生活に。10歳から車いすテニスを始め、18歳以下世界No.1決定戦「世界Jr.マスターズ」単複優勝、世界Jr.ランキング1位を最年少で達成。2021年には世界国別選手権BNP PARIBAS WORLD TEAM CUPジュニアカテゴリで日本を初優勝に導く。2022年11月には、車いすテニスの年間チャンピオン決定戦「NEC WHEELCHAIR SINGLES MASTERS」で大会史上最年少出場&優勝。2023年は、全仏オープンでグランドスラム史上最年少優勝(17歳1か月2日)&最年少世界ランキング1位(17歳1か月4日)を達成し、ウィンブルドン選手権も制覇。2024年に入ると、全豪オープンを制して生涯グランドスラムに王手をかけ、全仏オープン2連覇。さらにパリパラリンピックで史上最年少金メダリストになるなど名実共に、車いすテニス界を牽引するトッププレイヤーとして活躍している。株式会社東海理化所属。

UACJについて

株式会社UACJ(ユーエーシージェー)は、グローバルに事業を展開するアルミニウム総合メーカーです。「アルミでかなえる、軽やかな世界」をスローガンに掲げ、素材の力を引き出す技術で、持続可能で豊かな社会の実現に貢献することを目指しています。

飲料缶、自動車、IT機器、空調、航空宇宙・防衛などの幅広い分野に、アルミニウムの板、箔、押出、鋳鍛、加工製品を提供しています。アルミ圧延を開始してから125年以上にわたり受け継いできた技術を生かし、人びとの暮らしや産業を支えています。また、アルミニウムの循環型社会構築に向け、さまざまな領域でリサイクルを推進しています。

2025年3月期の連結売上高は9,988億円、グループ従業員は約10,200人です。