リリース・お知らせ 2023年

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山一金属とUBC加工処理の合弁会社を設立し、溶解リサイクルシステムを構築
—アルミ缶水平リサイクルを促進し、循環型社会実現に向けて貢献—

2023年3月7日

株式会社UACJ(本社:東京都千代田区、代表取締役:石原美幸、以下「UACJ」)は、山一金属株式会社(本社:静岡県駿東郡、代表取締役:大賀俊和、以下「山一金属」)と、UBC∗1の加工処理に関する合弁契約書を3月6日に締結しました。UACJは、山一金属および本合弁会社と連携してUBCから溶解までの工程を一貫で行う「溶解リサイクルシステム」を構築することで、よりリサイクル率を高めた製品を供給し、循環型社会実現に向けて貢献していきます。

当社は、長期経営ビジョン「UACJ VISION 2030」にて、製品ライフサイクル全体でのCO2削減により、環境負荷の軽減に貢献することを目標の一つとしており、山一金属の方針と一致したことから、2021年11月4日にUBC加工処理の協業へ向けた基本合意書を締結し、協議を進めてきました。このたび、アルミ缶水平リサイクルのさらなる促進と、飲料容器サプライチェーン全体のCO2排出量の削減を目指した具体的な検討結果として、本合弁契約書を締結する運びとなりました。

本合弁会社設立と溶解リサイクルシステムの構築は、UBCの加工から溶解までのサプライチェーンの流れを強固にするものです。両社の役割は、山一金属がUBCなどの原料調達、ノウハウや技術提供を行い、UACJが設備を設置することです。本合弁会社は、この設備を用いてUBC加工事業を行います。具体的にはUBCの破砕・選別・焙焼などを行い、塗料を飛ばした「DCC∗2」と呼ばれるチップを作ります。DCCは、UACJで溶解・鋳造・圧延され再びアルミ缶材となります。

本協業により、UBC加工とアルミ板製造が効率的に連動することで、UBC使用量を増やすことができ、Scope3(原材料)におけるCO2排出量∗4が年間約12万t削減する見込みです。今後、缶材での成果を確認しながら、他の製品分野への横展開も検討していきます。

当社は、今後もアルミ缶を再びアルミコイルとして製造・出荷する水平リサイクルを主導的に確立し、CO2排出削減への貢献を目指していきます。

  • ∗1 UBC:使用済み飲料缶(Used Beverage Can)
  • ∗2 DCC:Delacquered Can Chip
  • ∗3 日本アルミニウム協会「アルミニウムVISION 2050」掲載数値より算出
  • ∗4 日本アルミニウム協会公表のCO2排出量原単位に基づき算出

ご参考

合弁会社概要

社名 未定
所在地 UACJ福井製造所内
代表者 未定
事業内容 UBC加工事業
資本金 1億円
出資比率 UACJ60%、山一金属40%
従業員数 約50名(予定)

UBC加工設備

設備投資額 約52億円
稼働開始 2025年4月

山一金属概要

社名 山一金属株式会社
所在地 静岡県駿東郡長泉町本宿715
代表者 代表取締役社長 大賀俊和
事業内容 アルミ缶リサイクル事業
資本金 98,250千円
設立日 1961年5月15日

UACJについて

株式会社UACJ(ユーエーシージェー)は、グローバルに事業を展開する日本発の総合アルミニウムメーカーです。グループ企業理念では、「素材の力を引き出す技術で、持続可能で豊かな社会の実現に貢献する」を掲げています。
当社は、2013年に古河スカイ株式会社と住友軽金属工業株式会社が経営統合し、発足しました。グループ内に板、自動車部品、押出、箔、鋳鍛、金属加工の6つの事業を持ち、飲料缶、自動車、IT機器、空調、航空宇宙産業などの幅広い産業分野にアルミニウム素材を供給しています。
アルミニウム板事業では、北米・タイ・日本の3極グローバル体制を構築しており、自動車部品事業では、北米・中国・日本で合金開発から設計までの一貫生産体制を活かしたビジネス展開を行っています。2022年3月期の売上高は7,829億円、グループ従業員は約9,600人です。