特集(2017年1月)
温暖化防止に向けて世界各地で自動車の燃費規制が強化されるなか、
自動車業界では車体の軽量化を目的としたアルミニウムの採用が進んでいます。
UACJは需要の高まる“自動車用部材”を戦略商品と位置付け、
多様な用途への対応に取り組んでいます。
北米で、パネル材製造ラインが本格稼働
ひとたび量産車のボディパネルの採用が決まれば、需要は一挙に増大します。そこでUACJは欧州の大手アルミニウムメーカーとの合弁で北米にパネル材の製造販売会社を設立。2016年6月に稼働を開始した新工場は、北米のグループ会社が運営する世界最大級のアルミニウム工場から安定的に母材の供給を受け、日・米・欧の自動車メーカー向けに生産を開始しました。
- パネル材とは
- パネル材とは、ボンネットやドア、ルーフなどの外装材のことです。
北中米で、自動車用構造材のNo.1ブランドを取得
2016年4月、自動車用構造材の分野で北米No.1のブランド「Whitehall Industries」を当社グループに迎えました。当社グループの北中米における構造材のシェアは50%を超え、市場における存在感が高まりました。一方で、グループシナジーによって生産技術や研究開発力が強化された同社は、今後、EVメーカーや日系メーカーなどへも取引を拡大していきます。
- 構造材とは
- 構造材とは、ボディフレームやサンルーフレールなど骨格を成す部材です。
欧州・中国を中心に熱交換器材供給体制を強化
欧州における熱交換器材の供給体制を強化するため、2015年12月にギリシャ企業との共同出資によりドイツに販売会社を設立しました。同様に、中国市場においても2016年2月に現地の製造会社への出資比率を25%から49%に引き上げるとともに、上海に販売会社の設立を決定。国内やタイ、米州の拠点も含めたグローバルな供給体制を構築し、さらなる拡販を目指します。
- 熱交換器材とは
- 熱交換器材とは、エンジンの熱を放出し温度を一定に保つラジエータの材料などを指します。
- 自動車用部材の国内における中心拠点へ
- 当社グループでは、最適生産体制の構築に向けて、国内生産拠点において生産品種の移管・集約を進めており、名古屋製造所は、自動車用部材を中心とした一般材の生産に特化してきました。国内でも自動車用アルミニウム材の需要が増加するなか、同製造所を“自動車用部材の国内における中心拠点”と位置付け、設備の増設とともに生産性改善活動を推進し、当期中には生産量を増強する計画です。