特集(2017年12月)
軽量化や電動化といった“自動車の進化”に適した素材として、アルミニウムの採用が進んでいます。
ここでは、自動車の未来を見据え、アルミニウムのさらなる活躍の場を開拓していくUACJの取り組みを、技術開発研究所の渋江和久所長が語ります。
電気自動車化を見据えた一歩先をいく部材開発
自動車に対する環境規制の強化を受けて、軽量化に続いて電動化の流れが加速しています。電気自動車(EV)は、エンジン駆動の自動車とは構成する部材が異なり、今後の普及とともにEVならではの部材開発ニーズも高まっています。また、EV分野では既存の自動車メーカーだけでなく新規参入も活発化しており、部材メーカーにとっても市場開拓の機会になると期待できます。
![取締役兼専務執行役員 技術開発研究所所長 渋江 和久](img/feature08_pic01.jpg)
UACJグループは、こうした自動車産業の変化を大きなビジネスチャンスと捉え、EV用アルミニウム材の研究開発を強化。リチウムイオン電池の電極用アルミニウム箔や電池ケース用アルミニウム合金板といった蓄電池関連部材、航続距離を確保するためのより軽量な構造材など、EVのニーズを見据えた部材を開発しております。
![自動車材を支える6事業:板事業・押出事業・箔事業・鋳鍛事業・銅管事業・加工品事業](img/feature08_fig01.png)
![自動車材を支える6事業](img/feature08_fig01-1_sp.png)
![板事業・押出事業・箔事業・鋳鍛事業・銅管事業・加工品事業](img/feature08_fig01-2_sp.png)
新素材・新生産技術の研究開発で新たな価値を創出する
アルミニウムの需要をさらに拡大するには、用途開拓やコストダウンを図っていく必要があります。UACJでは、たとえば大手自動車部品メーカーと共同で、生産性向上とコストダウンに貢献する新たな接合技術を開発。さらに、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の主催する産学協同プロジェクトに参画し、アルミニウムのコスト競争力を高める精錬プロセスの開発に取り組んでいます。今後も、こうした研究開発を通じて、アルミニウムの新たな価値を創出していきます。
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- ※ 2017年12月時点の情報です。