特集(2024年12月)
先行してリサイクルループの構築が進む缶材では、水平リサイクルへの挑戦を始めています。水平リサイクルとは、製品から同一製品にリサイクルすることです。これを実現し、完全に資源循環できれば製造時のGHG排出量が多い新地金の投入が不要になります。
この実現に向けて、当社は動脈・静脈のそれぞれにおいて取り組みを進めています。

動脈側では、リサイクルしたアルミニウムを100%使用した飲料缶の商品を大手ビールメーカーなどと販売。タイでは、大手製缶グループとの連携強化や「CAN to CAN Journey」と称するリサイクルの啓蒙活動などを展開してきました。今後は、Scope3に該当するGHG排出量を第三者が証明する自社ブランド「ALmitas+SMART マスバランス」の販売拡大やGHG排出量を約4割削減した飲料缶蓋「EcoEnd™」の量産化などを行っていきます。一方、静脈側では、これまでTAA※1でのUBC※2処理能力の増強やUATH※3でのスクラップ処理能力の増強などを行ってきました。今後は福井製造所でのUBC・スクラップの処理設備の新設、アルミ缶水平リサイクル推進に向けた業務提携などを予定しています。
- ※1 Tri-Arrows Aluminum Inc.
- ※2 Used Beverage Can (使用済み飲料缶)
- ※3 UACJ (Thailand) Co., Ltd.
このような取り組みを進めることでリサイクル原料の使用量を増大し、2019年度比で2027年度のリサイクル原料の使用量を75%増加させる計画です。また、リサイクル性を武器にアルミニウムの循環の幹を太くする(アルミニウムの使用量を拡大する)施策として、缶材の販売数量の拡大を図り、2023年度に79.1万トンだった販売数量を2027年度には93.5万トンまで拡販することを目指します。
リサイクル原料使用量拡大効果イメージ

リサイクルを軸とした缶材の拡販
