Furukawa-Sky Review No.3 (April 2007)

トピックス

古河スカイ技術研究所新設
Furukawa-Sky Technical Research Center Integrated into a New Building

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新技術研究所の外観
新技術研究所の外観

1. はじめに

当社はこのほど,深谷地区(埼玉県深谷市)に技術研究所を集約し,新たに研究棟1棟と実験棟2棟を新設しました。これで当社発足以来拡充を続けてきた深谷地区の技術研究所は,発足時の約2倍の面積になりました。
新設した建屋のうち研究棟は総2階建てで,外壁にはアルミニウムプレコート材として土木用防汚材料I種※に初めて合格した,当社が開発した防汚性アルミニウム塗装材「ファスコートクリーン®」を全面に採用しています。また,段差をなくし,エレベータを設置するなど,ハートビル法の思想を盛り込んだ構造としました。
実験棟は試験,評価設備を収容する評価棟と,試作材料製造装置を設置する試作棟の2棟で,集中廃液処理設備を同時に設置し,環境に配慮したものです。建屋の新設に当たっては,人にも環境にも「やさしく」を充分に取り入れた設計を採用しています。

※土木用防汚材料I種:
国土交通省管轄の(財)土木研究センターによって認定され,屋外土木構造物に用いた場合に,汚れにくく,また汚れがひどい場合も清掃によって汚れを容易に落とすことができ,初期に近いきれいな状態を維持することが可能な材料。

2. 目的

これまでの技術研究所は,主力工場の敷地内に分散して存在し,福井地区(福井県坂井市),日光地区(栃木県日光市),小山地区(栃木県小山市)および深谷地区の4箇所で研究・開発活動を進めてきました。この体制は,各工場で製造する製品の技術問題対応への迅速性には優れていますが,各地区で同様な研究テーマを重複して抱えるなど,必ずしも有利とはならない面も持っていました。そこで,これら重複した研究テーマを一元化して進め,製品横断的な基礎・基盤技術を深化させることと,さらなる革新的な製品開発および技術開発をスピードアップさせることを目標に,技術研究所の集約計画を進めてきました。この集約計画に基づいて,深谷地区に研究所建屋の新設を完了させました。
この建屋の完成により,2007年3月に日光地区から研究者および研究設備の移動を実施しました。今後は,旧深谷研究建屋の一部改装を行い,2007年度前半には,福井地区および小山地区からの移動を完了させます。その後人員の採用および補充を実施し,研究者140名を深谷地区に集結させる予定です。

3. これからの効果

新技術研究所の中心となる建屋の研究棟には,異なった研究テーマを担当する研究者同士が,常時相談や議論ができるように,手軽に集まれるオープンスペースや,外部あるいは内部講師による勉強会が開催できる大会議室を設置するなど,開放的空間を強く意識した配置としました。他の研究者や異業種からの絶え間ない刺激により,研究者自身が研鑽を積み,業界において存在感のある研究者へ成長することを意図したものです。 当社の製品は,圧延材,押出材,鋳物品,鍛造品およびそれらを使用したアルミニウム加工品と幅広く,その用途分野もアルミニウムフォイルのような日常品から,H-IIロケットのタンク材に代表される宇宙産業に貢献するものまで,多岐にわたっています。これらの異なった製品および製造・加工技術を研究する100名を超える研究者が,一堂に会して議論を深めることができるため,大きな成果が得られると期待できます。
例えば,2004年度に「日経優秀製品サービス賞 最優秀賞」と「日本アルミニウム協会賞 技術賞」を受賞した自動車パネル材の開発は,アルミニウム超塑性材の研究から進めてきた結晶粒組織制御技術と,難加工成形品の加工技術開発から追求していたブロー成形技術の合体の成果です。これからもより広範囲の技術を結集させ,迅速に革新的な開発を進めていきます。
また新研究棟1階には,評価および解析装置の設置スペースも準備しています。これまで4箇所に分散投資していた評価装置も,この集約により深谷地区への重点投資が可能となりました。2007年度にはフルスペックの透過電子顕微鏡を設置するのをはじめ,今後も最新鋭の評価装置の導入を図っていきます。これにより,当社の分析センターとしての機能拡充を図るとともに,より信頼性が高く,分析精度を向上させたデータの提供に努めていきます。

実験棟

実験棟

研究棟のエントランス

研究棟のエントランス

4. おわりに

当社技術研究所の拡充と発展を実行させる基礎体制作りは2007年度で整います。この新体制を活用し,今後もアルミニウム材料の持つ特徴および利便性を極限まで探求するとともに,皆さまに喜ばれる製品開発に一層の努力を重ねていきます。

トピックス

  1. CSRレポート2006 発行
  2. 古河スカイ技術研究所新設
  3. 自動車熱交換器用板材販売会社「アフセル社」設立

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