Furukawa-Sky Review No.5 (April 2009)
環境対応特集 技術紹介
小山工場ジクロロメタン全廃
Complete Elimination of Dichloromethane at the Oyama Works
近年,顧客のグリーン調達方針など,環境管理の見地から有害化学物質不使用の社会的要請が強くなってくる中で,当社の環境方針においては,塩素系有機化合物ジクロロメタンの全廃およびVOC規制対象物質の排出量半減が定められた。これらを背景として当社小山工場の洗浄工程で使用されていたジクロロメタンの全廃を目的として環境に優しい洗浄技術開発に関する取り組みを開始した。
ジクロロメタンは,1993年頃から,金属の脱脂洗浄剤として世の中に広く普及したもので,常温では液体であり,沸点は約40℃である。労働安全衛生法では第二種有機溶剤に指定されている。環境管理上は,PRTR 法第一種指定物質であり,水質,土壌および大気に対して環境基準が設定されており,大気汚染防止法のVOC 規制対象物質で,栃木県条例では特定有害物質である。小山工場には,2000年の時点で,小径感光体ドラム,中大径ドラムおよび長尺管の3箇所の生産ラインでジクロロメタンを使用していた。いずれも抽伸加工時に使用する高粘度の潤滑油(ポリブテン)を脱脂洗浄する工程で使用されていた。
なお,小径感光体ドラムは小型複写機の感光体ドラムに使用され,中大径ドラムは主に大型複写機の感光体ドラム,または自動車の構造用素材として使用される。長尺管は自動車の熱交換器を始めとして幅広い用途がある。いずれの生産ラインも小山工場を代表する製品を扱っていることから,ジクロロメタンの全廃は工場の将来に関わる重要テーマとして取り組みを開始した。
環境にやさしい洗浄技術開発の背景
Developmental background of environment-friendly cleansing technology.
各種洗浄剤の比較
Comparison of various detergents.
新小山 長尺管洗浄機の洗浄力
Residual oil contents with the new cleansing machine for long tubes at the Oyama Works.
小山工場ジクロロメタンの大気排出量推移
Trends in atmospheric emission of dichloromethane at the Oyama Works.
- お問い合わせ先
-
押出加工品事業部 小山工場 工務課
〒323-0812 栃木県小山市土塔560
TEL:(0285)23-2100, FAX:(0285)24-4360