Furukawa-Sky Review No.9 (April 2013)

  • ツイートする
  • facebookでシェアする
音声で読み上げる

トピックス

リチウムイオン二次電池集電体「ファスポーラス®」を開発
Development of Lithium-ion Secondary Battery Current Collector, “FUSPOROUS”

Full Text PDF(PDFファイルを開きます861KB)

当社はこのほど,リチウムイオン二次電池集電体「ファスポーラス(FUSPOROUS)」を開発しました。

リチウムイオン二次電池は携帯電話,パソコンをはじめ,最近はEV,HVや産業用・家電用蓄電モジュールまでさまざまな分野で使用されており,今後もさらに需要が広がっていくと予想されています。当社は,集電体用アルミニウム箔の開発とその拡販を進めてきましたが,昨今はリチウムイオン二次電池の高容量化が進んでいるため,アルミニウム箔への性能要求も高くなってきており,より高品質なアルミニウム箔が求められていました。

しかし,従来のアルミニウム箔を使用した電極では,活物質※1を有効に働かせるために,合材層(活物質+導電助材※2+バインダ※3)の厚みに制限がありました。したがって,電池セル単位での容量を上げるには限界があり,高容量の電池を得るためには電極を積層する必要があります。合材層の保持力を高め,電池セル単位の容量を上げることが可能な構造を検討した結果,立体構造を電極に適用する考えにいたりました。

当社が開発したリチウムイオン二次電池集電体「ファスポーラス(FUSPOROUS)」は,三次元多孔体構造で形成されており,従来のアルミニウム箔集電体と比較すると合材層の保持性にたいへん優れており,次のような特徴があります。

  1. 最大95%の高気孔率で構造されている。
  2. 素材に良導電性の高純度アルミニウムを使用しているが,強度も確保している。
  3. 多孔体にすることで高い比表面積を確保している。

これらにより,従来のアルミニウム箔集電体に比べて単位面積当たりの容量を大きくすることができ,高容量化への対応が可能になります。

リチウムイオン二次電池集電体ファスポーラス概念図

リチウムイオン二次電池集電体ファスポーラス概念図
Schematic of lithium-ion secondary battery current collector, FUSPOROUS.

  • ※ 1 活物質:電池において電気をためる物質
  • ※ 2 導電助材:電池の合材に電気の流れをよくするために加える材料
  • ※ 3 バインダ:固体粒子同士を結着させる結着材

トピックス / Topics

  1. 新幹線用アルミニウム製吸音パネルが日本アルミニウム協会賞の開発賞を受賞
    Aluminum Noise Absorption Panel for Shinkansen Received The Development Award of Japan Aluminium Association Prize
  2. アルミニウム合金厚板「ファスプレート®」をリニューアル販売開始
    Launched Renewed Thick Aluminum Alloy Plate, “FusPlate®”
  3. リチウムイオン二次電池集電体「ファスポーラス®」を開発
    Development of Lithium-ion Secondary Battery Current Collector, “FUSPOROUS”
  4. ALUMINIUM 2012に出展
    Participating in the ALUMINIUM 2012
  5. ALUMINIUM CHINA 2012に出展
    Participating in the ALUMINIUM CHINA 2012

Get Adobe Reader

PDFをお読みいただくにはAdobe Readerが必要です。
お持ちでない方はこちらからダウンロードし、ご利用ください。